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山手線は東京を中心に品川駅から渋谷駅、新宿駅、池袋駅、上野駅、東京駅を経由して品川駅へ戻るJRの通勤路線で、環状運転を中心に行っている。途中の田端駅から品川駅までの間は京浜東北線と路線を並行して走っている。また本来の山手線の線路は品川駅から渋谷駅・新宿駅・池袋駅を経由して田端駅までの名称であり、田端駅から東京駅までの区間は東北本線、東京駅から品川駅までの区間は東海道本線の線路名称で扱われている。よって本項では本来の山手線の線路名称区間に加えて、田端駅から上野駅・東京駅経由の品川駅までの区間を併せた、つまり環状区間について記述する。 運行内容・サービス山手線は環状運転のため、内回り・外回りで区別されている。環状運転を中心にラッシュ時や早朝、夜間には大崎、品川、池袋発着の列車がそれぞれ設定されている。列車編成はすべてE235系の11両編成で運用されている。
運行車両
過去に活躍した車両
103系(1963年〜1988年)
沿線風景品川駅から一周するかたちで渋谷、新宿、池袋、上野、東京、品川方面へ進めて行く(外回りで記述)。なお「左側」や「右側」はすべて外回り電車からの内容である。 品川〜渋谷品川駅を発車した電車は、高架の京急線および国道15号線を潜り、川崎・横浜方面への東海道線、京浜東北線と分かれ、東海道新幹線および横須賀線の線路と並走する。その新幹線や横須賀線の線路が左方向(西大井・横浜方面)へ分かれ去ると、車庫所在駅の一つ、大崎駅に到着。かつて大崎は山手線の単独駅にすぎなかったが、埼京線や東京臨海鉄道りんかい線の開業による相互乗り入れ、および湘南新宿ラインの運転開始によって、ターミナル駅に発展している。大崎を出ると埼京線や湘南新宿ラインが通る貨物線の線路と並走し、五反田駅に至るが、駅間距離は900mと短く、大崎駅ホーム先端から見渡すことができる。その間五反田駅到着手前で東急池上線の高架ホーム下を潜る。 目黒駅はかつて左側に東急目蒲線のホームがあったが、現在は地下へ移り、目黒線に変更されたうえで東京メトロ南北線と都営三田線と乗り入れている。この先貨物線の線路を跨いで、左側の線路に移るとまもなく恵比寿駅。恵比寿も大崎同様、埼京線の乗り入れによって大きく発展した駅で、かつてのビール輸送の駅からビジネス街への駅へと発展している。次の渋谷駅は駅構内をはじめ、駅前は現在大規模な再開発工事がたけなわに行なわれている。東口にはかつて東急東横線の駅があったが、東京メトロ副都心線への乗り入れによって地下へ移っている。山手線ホームと埼京線ホームとはかなり離れており、相当不便ではあるが、将来的には両線のホームを隣接させるうえで、この不便さの解消に向けて、2019年現在工事中である。 渋谷〜新宿渋谷駅を発車し、左右に渋谷の街並を望みながら進み、右側には宮下公園、左側にはビジネス街をそれぞれ望む。そして左側に代々木公園や国立代々木体育館、さらにその奥に建つNHK放送センターの建物を見ると、原宿駅に到着。左側には明治神宮の杜、右側には原宿の街並みをそれぞれ望む。原宿駅は普段1面2線の島式であるが、正月3が日には明治神宮側の臨時ホームも使用する。原宿駅を出てしばらく左側には明治神宮を望み、右側には皇室専用ホームも望む。そして首都高速4号線をくぐり抜け、右側(四ツ谷方面)から中央線の線路が寄り添ってくると、代々木駅に到着する。代々木駅の右側には数大きいヤードが見られるが、なんとそこは新宿駅の構内となっており、ホームの新宿寄り先端からも既に新宿駅が見渡せる。その代々木駅を発車し、左側に中央・総武線各駅停車の線路が並走すれば、新宿駅に到着する。ズバリ、新宿駅は構内の広さはもちろん、駅の規模の大きさなどから一日約342万人と世界一乗降客の大きい駅である。また小田急線や京王線などの始発駅であるほか、地下鉄も通っており、まさしくわが国で一番鉄道が発達している駅でもある。 新宿〜池袋新宿駅を発車した山手線の列車は、中野・三鷹方面へ分かれる中央・総武線の各駅停車の列車を送りながら、北方向へ向かい、右側の西武新宿駅ホームと西武新宿線を見ながら新大久保駅に到着。さらに西武新宿線とホームを並行して高田馬場駅に到着。高田馬場駅を出ると西武新宿線は左へカーブして、山手線や山手貨物線(埼京線および湘南新宿ライン)の線路を潜って西方向(上石神井・所沢方面)へ向かう。そして目白駅を過ぎて、左方向(練馬・所沢方面)から西武池袋線の線路を潜り、Y字形の引き上げ線を見てポイントを過ぎ、池袋駅に到着。 池袋〜田端池袋駅を出ると、埼京線や東武東上線は左方向(埼京線:板橋・赤羽方面、東武東上線:成増・川越方面)へ分かれて行き、ここから駒込を過ぎたあたりまで、山手線と湘南新宿ラインとの並行区間となる。次の大塚駅は都内で唯一残っている、昔ながらの都電荒川線の乗り換え駅である。巣鴨駅はとげぬき地蔵尊の最寄り駅。次の駒込駅を過ぎると湘南新宿ラインを有している貨物線は左方向へ分かれ、赤羽方面へ向かう。ここからは唯一の複線区間となっており、また唯一の踏切(第二中里踏切)も存在している。やがて左側(赤羽・大宮方面)から京浜東北線の列車が現われ、田端駅に到着する。 田端〜上野田端駅を発車した山手線の列車は、ここから品川駅まで京浜東北線の列車と並走する。次の西日暮里駅は東京メトロ千代田線との乗り換え駅で、千代田線の開通とともに開業した駅である。日暮里駅は松戸・取手方面への常磐線と成田空港方面への京成線、および足立区舎人方面への日暮里・舎人ライナーとの乗り換え駅である。鶯谷駅は山手線と京浜東北線の列車しか停車しない駅であるものの、日暮里駅とともに谷中方面の下車駅として賑わっている。そして北へのターミナル駅として昔から名高い上野駅に到着。かつては東北や北陸方面への長距離列車が発着していたのも、今は遠い思い出となっている。 上野〜東京上野駅を発車し、しばらくすると御徒町駅。ここは上野駅から続く「アメ横」の下車駅でもある。次の秋葉原駅は電気街やオタクの街として世界的に有名だが、かつて2006年5月までは万世橋のたもとに交通博物館があった。神田駅は中央線との接続駅。そして右側に大手町や丸の内のオフィス街が現われると、列車は東京駅に到着する。 東京〜品川東京駅を発車した列車は、左側に東海道線および東海道新幹線を見ながら進み、有楽町駅に到着。次の新橋駅はわが国初の鉄道が出発した駅として有名。浜松町駅は羽田空港へ向かう東京モノレールの乗り換え駅。田町駅を出ると、品川付近の再開発地域を通過し、品川駅までの区間には2020年3月14日に新駅である高輪ゲートウェイ駅が設置され、品川地域における新しいランドマークとして、今後の更なる発展が期待されている。続く品川駅は東京南側のターミナル駅で、東海道新幹線や羽田空港や三浦半島への京急線のほか、2027年度にはリニア中央新幹線の発着駅となる予定で、高輪ゲートウェイ駅の周辺とともに今後の発展が大いに期待されている。 山手線の行先表示103系や205系までは環状運転時に「山手線」と表示されていたが、E231系からは「○○・△△方面」とLED表示されている。これらに該当する駅は品川・渋谷・新宿・池袋・上野・東京の6駅が表示されている。 順を追うごとに外回りでは田町駅を発車すると「渋谷・新宿方面」と表示され、以下は恵比寿駅発車後には「新宿・池袋方面」、代々木駅発車後には「池袋・上野方面」、目白駅発車後には「上野・東京方面」、鴬谷駅発車後には「東京・品川方面」、神田駅発車後には「品川・渋谷方面」と、内回りも同じように大崎駅を発車すると「東京・上野方面」と表示され、以下有楽町駅発車後には「上野・池袋方面」、御徒町駅発車後には「池袋・新宿方面」、大塚駅発車後には「新宿・渋谷方面」、新大久保駅発車後には「渋谷・品川方面」、原宿駅発車後には「品川・東京方面」とそれぞれ表示を変えて行く。 また途中止まりの表示には「池袋」・「品川」・「大崎」の各行き先が設定表示され、内・外回りともに「品川」・「大崎」表示は池袋駅から、「池袋」表示は大崎駅から表示される。なお山手線においての列車番号表示の変更は内回り・外回りとも大崎駅にて行われている。 今後の予定山手線では現在ほとんどの駅においてホームドアが設置されており、E231系の項にて前述のように従来の6ドア車を4ドア車に置き換えが進められ、さらに2017年よりE235系車両(先述)を50編成550両を導入し、2020年1月20日をもってE231系500番台車両を全て置き換えた。これによって、これまで運用されていたE231系500番台は全編成、中央・総武線へ転属している。 また田町駅から品川駅において周辺地域の大規模な再開発がたけなわに行われており、この区間において、京浜東北線とともに新駅である「高輪ゲートウェイ」駅が2020年3月14日に開業している。場所は泉岳寺駅(都営浅草線・京急線)の東側に300mに位置している。当初は暫定開業であるものの、駅周辺の再開発の本格化によって2024年度に本格的に開業の予定。(→2018年12月4日付:JR東日本報道発表「田町〜品川駅間の新駅の駅名決定について」) |
※山手線は本来、品川駅が起点であるものの、市販されている時刻表においては殆どが大崎駅から連載されている関係から、本項では大崎駅から外回りで記載する。 ■山手線■(大崎〜池袋〜大崎間)
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