上野東京ラインは、上野駅ならびに東京駅を経由して東北本線(宇都宮線)・高崎線と東海道本線(東海道線)との相互直通運転、および常磐線の品川駅までの乗り入れを行っている、JR東日本の鉄道幹線である。本項では当該区間を経由している宇都宮線・高崎線〜東海道線系統ならびに常磐線系統について記述する。 概要もともと東京駅からは東海道線、上野駅からは宇都宮線や高崎線、常磐線がそれぞれ発着していた系統を、上野駅と東京駅を経由して東海道線へ直通運転をする意図から、2015年3月16日のダイヤ改正から運転が開始された。宇都宮線・高崎線と東海道線との相互直通運転では新宿駅経由での湘南新宿ラインが2001年12月1日に開設されたが、上野駅や東京駅での乗換解消、ならびに並行している山手線や京浜東北線の混雑緩和を目的に建設された。ちなみに国鉄時代からこの区間は東北本線と位置付けられており、建設路線名では「東北縦貫線」と称されていた。 運行内容2016年2月1日現在、宇都宮線・高崎線〜東海道線系統と常磐線系統の2種類が運転されている。常磐線系統では特急「ひたち」や「ときわ」のほか、東海道線からは上野駅発着も設定されている。 宇都宮線・高崎線〜東海道線系統 運行範囲としては、宇都宮線〜東海道線では黒磯〜沼津・伊東間、高崎線〜東海道線では前橋〜沼津・伊東間とそれぞれなっており、距離的に実に250qから300qの広範囲に亘っている。発着駅としては宇都宮線側では黒磯・氏家・宇都宮・小金井・古河。高崎線側では前橋・新前橋・高崎・深谷・籠原。東海道線側では伊東・沼津・熱海・小田原・国府津・平塚・藤沢・品川・東京となっているものの、これらのうち圧倒的に多い発着駅では宇都宮・小金井・古河・高崎・籠原・熱海・小田原となっている。 使用される車両はグリーン車付き直流専用車のE231系近郊タイプとE233系3000番台が使用され、湘南新宿ラインと共通運用化されており、E231系やE233系との併結運用も常に行われている。基本的には普通列車で運行されているが、以下の列車も運行されている。
常磐線系統 運行範囲では中距離電車では高萩〜品川間、快速電車では取手・成田〜品川間となっており、宇都宮線・高崎線〜東海道線系統と違い、これまでの上野駅発着から一部の列車が東京駅を経由して品川駅まで延長された内容になっている。発着駅としては快速電車は取手と成田の2駅のみであるが、中距離電車では高萩・勝田・水戸・土浦となっており、特に日中のほとんどは土浦発着である。 使用される車両は宇都宮線・高崎線〜東海道線系統と異なり、快速電車では直流専用車のE231系通勤タイプ、中距離電車では取手からの交流電化区間の関係から交直流車のE531系がそれぞれ使用され、E531系はグリーン車が連結されているものの、E231系はグリーン車の連結はない。 常磐線特急「ひたち」「ときわ」 上野東京ラインの開業と同時に常磐線の特急「ひたち」がリフレッシュし、これまでの「スーパーひたち」が「ひたち」へ、「フレッシュひたち」が「ときわ」へ様変わりした。運行区間は「ひたち」が品川〜いわき間、「ときわ」が品川〜高萩間となっている。使用される車両は交直流特急車E657系が10両編成で運用されている。 上野駅発着東海道線 このほかにも朝を中心に東海道線において、上野駅発着が少数設定されており、グリーン車付きのE231系近郊タイプおよびE233系3000番台が使用されている。 使用車両ここでは2016年2月現在、定期的に運用されている車両を記述する。 宇都宮線・高崎線〜東海道線系統 宇都宮線・高崎線〜東海道線系統で使用されている車両はE231系近郊タイプ型車両とE233系3000番台車両にて運用され、小山車両センターおよび国府津車両センターに配置されている。上野東京ライン開業前まではそれぞれの線区によって、形式ごとに独立されていたが、開業後はE231系とE233系の併結運用をはじめ小山車と国府津車との併結運用が見られるなどといった事実上の共通運用となり、小山車や国府津車との区別は関係なく、実質的に車両運用の受け持ち自体合理化されている。この内容は湘南新宿ラインも同様である。
常磐線系統 常磐線系統で使用されている車両はE231系通勤タイプ型車両とE531系車両にて運用されており、E231系は松戸車両センター、E531系は勝田車両センターに配置されている。E231系とE531系車両における編成の内容自体が両者異なっており、E531系はグリーン車の設備があるものの、E231系はグリーン車の設備はない。また特急の「ひたち」と「ときわ」で運用されている車両にはE657系が使用されており、勝田車両センターに配置されている。
今後の予定赤羽駅〜浦和駅間において現在、京浜東北線が停車している川口駅に2037年度以降停車する見通しであることが明らかになった。これは埼玉県川口市において、川口駅に上野東京ラインを停車させる代わりに、川口市が新駅舎やホームの建設費用を負担する方針を明らかにした。早ければ2025年にJR東日本と川口市が基本協定を結び、川口駅に上野東京ラインが停車するのは2037年以降になる見通し。これによって京浜東北線の混雑緩和はもとより、赤羽駅や浦和駅などでの乗り換えが削減される。なお、並走しているもう一つの中距離列車である湘南新宿ラインについて、現時点においては一切触れられていない。 行先表示区間
この場合、東海道線内各始発駅から東京駅までは「東京経由」、宇都宮線内および高崎線内、常磐線内各始発駅から上野駅までは「上野経由」とそれぞれ表示され、東京駅や上野駅到着後に経由表示はされなくなる。(この点においては湘南新宿ラインも同じ。) |
※ここでは、宇都宮・高崎線〜東海道線系統ならびに常磐線系統とともに、定期列車が運転されている区間(一部区間を除く)を記載する。 ■上野東京ライン■ (宇都宮線・高崎線〜東海道線系統:宇都宮・高崎〜熱海間) ●・▲:停車 |・↑:通過 ▲・↑:その方向のみの運転。
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