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上野東京ライン
2024.3.24 戸塚駅を新設。

 上野東京ラインは、上野駅ならびに東京駅を経由して東北本線(宇都宮線)・高崎線と東海道本線(東海道線)との相互直通運転、および常磐線の品川駅までの乗り入れを行っている、JR東日本の鉄道幹線である。本項では当該区間を経由している宇都宮線・高崎線〜東海道線系統ならびに常磐線系統について記述する。

概要

 もともと東京駅からは東海道線、上野駅からは宇都宮線や高崎線、常磐線がそれぞれ発着していた系統を、上野駅と東京駅を経由して東海道線へ直通運転をする意図から、2015年3月16日のダイヤ改正から運転が開始された。宇都宮線・高崎線と東海道線との相互直通運転では新宿駅経由での湘南新宿ラインが2001年12月1日に開設されたが、上野駅や東京駅での乗換解消、ならびに並行している山手線や京浜東北線の混雑緩和を目的に建設された。ちなみに国鉄時代からこの区間は東北本線と位置付けられており、建設路線名では「東北縦貫線」と称されていた。

運行内容

 2016年2月1日現在、宇都宮線・高崎線〜東海道線系統常磐線系統の2種類が運転されている。常磐線系統では特急「ひたち」や「ときわ」のほか、東海道線からは上野駅発着も設定されている。

宇都宮線・高崎線〜東海道線系統

 運行範囲としては、宇都宮線〜東海道線では黒磯〜沼津・伊東間、高崎線〜東海道線では前橋〜沼津・伊東間とそれぞれなっており、距離的に実に250qから300qの広範囲に亘っている。発着駅としては宇都宮線側では黒磯・氏家・宇都宮・小金井・古河。高崎線側では前橋・新前橋・高崎・深谷・籠原。東海道線側では伊東・沼津・熱海・小田原・国府津・平塚・藤沢・品川・東京となっているものの、これらのうち圧倒的に多い発着駅では宇都宮・小金井・古河・高崎・籠原・熱海・小田原となっている。

 使用される車両はグリーン車付き直流専用車のE231系近郊タイプE233系3000番台が使用され、湘南新宿ラインと共通運用化されており、E231系やE233系との併結運用も常に行われている。基本的には普通列車で運行されているが、以下の列車も運行されている。

  • 快速アクティー(2021年3月運行終了)

    • 東海道線で運行されている快速列車で、ほとんどの列車は宇都宮線へ乗り入れており、宇都宮駅や小金井駅から小田原駅、熱海駅まで運行されている。快速運転区間は東海道線の藤沢駅から小田原駅までの区間で、途中、茅ケ崎と平塚、国府津、小田原に停車する。宇都宮線内は各駅に停車。2021年3月に上野東京ラインでの運行を終了し、東海道線において夜間の下り(東京→小田原)のみの運行となる。
  • 快速ラビット・アーバン

    • 宇都宮線の「ラビット」、高崎線の「アーバン」はそれぞれ快速列車で、東海道線内は各駅に停車する。毎朝2本ずつ東海道線から設定されており、上野から宇都宮線内および高崎線内は快速運転となる。

常磐線系統

 運行範囲では中距離電車では高萩〜品川間、快速電車では取手・成田〜品川間となっており、宇都宮線・高崎線〜東海道線系統と違い、これまでの上野駅発着から一部の列車が東京駅を経由して品川駅まで延長された内容になっている。発着駅としては快速電車は取手と成田の2駅のみであるが、中距離電車では高萩・勝田・水戸・土浦となっており、特に日中のほとんどは土浦発着である。

 使用される車両は宇都宮線・高崎線〜東海道線系統と異なり、快速電車では直流専用車のE231系通勤タイプ、中距離電車では取手からの交流電化区間の関係から交直流車のE531系がそれぞれ使用され、E531系はグリーン車が連結されているものの、E231系はグリーン車の連結はない。

常磐線特急「ひたち」「ときわ」

 上野東京ラインの開業と同時に常磐線の特急「ひたち」がリフレッシュし、これまでの「スーパーひたち」が「ひたち」へ、「フレッシュひたち」が「ときわ」へ様変わりした。運行区間は「ひたち」が品川〜いわき間、「ときわ」が品川〜高萩間となっている。使用される車両は交直流特急車E657系が10両編成で運用されている。

上野駅発着東海道線

 このほかにも朝を中心に東海道線において、上野駅発着が少数設定されており、グリーン車付きのE231系近郊タイプおよびE233系3000番台が使用されている。

使用車両

 ここでは2016年2月現在、定期的に運用されている車両を記述する。

宇都宮線・高崎線〜東海道線系統

 宇都宮線・高崎線〜東海道線系統で使用されている車両はE231系近郊タイプ型車両E233系3000番台車両にて運用され、小山車両センターおよび国府津車両センターに配置されている。上野東京ライン開業前まではそれぞれの線区によって、形式ごとに独立されていたが、開業後はE231系とE233系の併結運用をはじめ小山車と国府津車との併結運用が見られるなどといった事実上の共通運用となり、小山車や国府津車との区別は関係なく、実質的に車両運用の受け持ち自体合理化されている。この内容は湘南新宿ラインも同様である。

  • E231系近郊タイプ

    • 小山車両センター所属

      • 10両の基本編成と5両の付属編成があり、いずれもU編成であり、基本編成には4号車と5号車にグリーン車が連結されている。実際には基本編成のみの10両編成のほか、宇都宮・高崎寄りに付属編成の5両編成を連結した15両編成が運用されている。
      • 同じく小山車両センターに所属するE233系3000番台と共通で運用されており、15両編成での場合は同所属のE231系ならびにE233系3000番台と連結して運用されることもあるほか、国府津車両センター所属のE231系およびE233系3000番台と連結して運用されることもある。
    • 国府津車両センター所属

      • 10両の基本編成(K編成)と5両の付属編成(S編成)があり、基本編成には4号車と5号車にグリーン車が連結されている。実際には基本編成のみの10両編成のほか、宇都宮・高崎寄りに付属編成の5両編成を連結した15両編成が運用されている。
      • 同じく国府津車両センターに所属するE233系3000番台と共通で運用されており、15両編成での場合は同所属のE231系ならびにE233系3000番台と連結して運用されることもあるほか、小山車両センター所属のE231系およびE233系3000番台と連結して運用されることもある。
  • E233系3000番台

    • 小山車両センター所属

      • 10両の基本編成と5両の付属編成があり、いずれもU編成であり、基本編成には4号車と5号車にグリーン車が連結されている。実際には基本編成のみの10両編成のほか、宇都宮・高崎寄りに付属編成の5両編成を連結した15両編成が運用されている。
      • 同じく小山車両センターに所属するE231系と共通で運用されており、15両編成での場合は同所属のE231系ならびにE233系3000番台と連結して運用されることもあるほか、国府津車両センター所属のE231系およびE233系3000番台と連結して運用されることもある。
    • 国府津車両センター所属

      • 10両の基本編成と5両の付属編成があり、いずれもE編成であり、基本編成には4号車と5号車にグリーン車が連結されている。実際には基本編成のみの10両編成のほか、宇都宮・高崎寄りに付属編成の5両編成を連結した15両編成が運用されている。
      • 同じく国府津車両センターに所属するE231系と共通で運用されており、15両編成での場合は同所属のE231系ならびにE233系3000番台と連結して運用されることもあるほか、小山車両センター所属のE231系およびE233系3000番台と連結して運用されることもある。

E231系近郊型タイプ
(運用区間:黒磯・前橋〜沼津・伊東間)

E233系3000番台
(運用区間:黒磯・前橋〜沼津・伊東間)

常磐線系統

 常磐線系統で使用されている車両はE231系通勤タイプ型車両E531系車両にて運用されており、E231系は松戸車両センター、E531系は勝田車両センターに配置されている。E231系とE531系車両における編成の内容自体が両者異なっており、E531系はグリーン車の設備があるものの、E231系はグリーン車の設備はない。また特急の「ひたち」と「ときわ」で運用されている車両にはE657系が使用されており、勝田車両センターに配置されている。

  • E531系

    • 勝田車両センター所属

      • 10両の基本編成と5両の付属編成があり、いずれもK編成であり、基本編成には4号車と5号車にグリーン車が連結されている。実際には基本編成のみの10両編成のほか、水戸寄りに付属編成の5両編成を連結した15両編成が運用されている。
      • 取手駅からの交流区間の存在から、「普通」(取手まで快速)「特別快速」で使用される。
  • E231系通勤タイプ型

    • 松戸車両センター所属

      • 10両の基本編成と5両の付属編成があり、上野東京ラインで運用されている車両で唯一、グリーン車やトイレが連結されていない。
      • 主に朝と夕方に運用されており、運用区間は品川〜取手間、および我孫子から成田線へ乗り入れ、成田まで運用される。
  • E657系

    • 勝田車両センター所属

      • 従来使用されていた651系、E653系の置き換え用として登場した特急形交直流車両。10両編成17本が勝田車両センターに配置されており、「ひたち」「ときわ」で運用されている。

E657系「ひたち」「ときわ」
(運用区間:品川〜いわき間)

E531系中距離電車
(運用区間:品川〜高萩間)

E231系快速電車
(運用区間:品川〜取手・成田間)

今後の予定

 赤羽駅〜浦和駅間において現在、京浜東北線が停車している川口駅に2037年度以降停車する見通しであることが明らかになった。これは埼玉県川口市において、川口駅に上野東京ラインを停車させる代わりに、川口市が新駅舎やホームの建設費用を負担する方針を明らかにした。早ければ2025年にJR東日本と川口市が基本協定を結び、川口駅に上野東京ラインが停車するのは2037年以降になる見通し。これによって京浜東北線の混雑緩和はもとより、赤羽駅や浦和駅などでの乗り換えが削減される。なお、並走しているもう一つの中距離列車である湘南新宿ラインについて、現時点においては一切触れられていない。

行先表示区間

路線および種別 解説
快速ラビット(宇都宮線内快速)
※宇都宮線方面のみ。
東京駅到着前までは「上野東京ライン/宇都宮線内ラビット(E233系は前に「普通」表示も入る)」表示。東京駅から先と小山駅到着前までは「快速ラビット 宇都宮線」表示。小山駅から先は「宇都宮線(E233系は前に「普通」表示も入る)」表示。
快速アーバン(高崎線内快速)
※高崎線方面のみ。
東京駅到着前までは「上野東京ライン/高崎線内アーバン(E233系は前に「普通」表示も入る)」表示。東京駅から先と熊谷駅到着までは「快速アーバン 高崎線」表示。熊谷駅から先は「高崎線(E233系は「普通」表示も入る)」表示。
普通(宇都宮線・高崎線〜東海道線) 宇都宮線および高崎線方面(北行)は全区間「上野東京ライン/宇都宮線直通(E233系は「普通」表示も入る)」および「上野東京ライン/高崎線直通(E233系は「普通」表示も入る)」表示。東海道線方面(南行)は全区間「上野東京ライン/東海道線直通(E233系は「普通」表示も入る)」表示。
特別快速(常磐線) 常磐線方面(北行)は全区間「特別快速 上野東京ライン/常磐線直通」表示。東海道線方面(南行)は東京駅到着前までは「特別快速 上野東京ライン/東海道線直通」表示。東京駅から品川駅までは「上野東京ライン/東海道線直通」表示。
普通・快速(常磐線) 常磐線方面(北行)は全区間「上野東京ライン/常磐線直通」表示。東海道線方面(南行)は全区間「上野東京ライン/東海道線直通」表示。
成田線直通電車の北行は全区間「上野東京ライン/常磐・成田線直通」表示。南行は全区間「上野東京ライン/常磐・東海道線直通」表示。

 この場合、東海道線内各始発駅から東京駅までは「東京経由」、宇都宮線内および高崎線内、常磐線内各始発駅から上野駅までは「上野経由」とそれぞれ表示され、東京駅や上野駅到着後に経由表示はされなくなる。(この点においては湘南新宿ラインも同じ。)



上野東京ライン 駅一覧

※ここでは、宇都宮・高崎線〜東海道線系統ならびに常磐線系統とともに、定期列車が運転されている区間(一部区間を除く)を記載する。
(本項のほか宇都宮線高崎線東海道線常磐線および常磐線快速をそれぞれ参照。)

上野東京ライン

宇都宮線・高崎線〜東海道線系統:宇都宮・高崎〜熱海間) ●・▲:停車 |・↑:通過 ▲・↑:その方向のみの運転。

路線名
駅番号
宇都宮線 高崎線
接続している路線










































宇都宮
(うつのみや)
  • 東北新幹線
  • 宇都宮線<矢板・黒磯方面>(一部の列車が黒磯駅まで乗り入れ。)
  • 日光線<鹿沼・日光方面>
  • 烏山線<大金・烏山方面>
雀宮
(すずめのみや)
石橋
(いしばし)
自治医大
(じちいだい)
小金井
(こがねい)
小山
(おやま)
  • 東北新幹線
  • 両毛線<栃木・桐生・前橋方面>
  • 水戸線<下館・友部・水戸方面>
間々田
(ままだ)
野木
(のぎ)
古河
(こが)
栗橋
(くりはし)
東鷲宮
(ひがしわしのみや)
久喜
(くき)
新白岡
(しんしらおか)
白岡
(しらおか)
蓮田
(はすだ)
東大宮
(ひがしおおみや)
土呂
(とろ)






















高崎
(たかさき)
||
  • 上越新幹線
  • 北陸新幹線(長野経由)
  • 上越線<水上方面>
  • 吾妻線<大前方面>
  • 両毛線<前橋・桐生・小山方面>(一部の列車は前橋駅まで乗り入れ。)
  • 信越線<安中・横川方面>
  • 上信電鉄線<上州富岡・下仁田方面>
倉賀野
(くらがの)
新町
(しんまち)
神保原
(じんぼはら)
本庄
(ほんじょう)
岡部
(おかべ)
深谷
(ふかや)
籠原
(かごはら)
熊谷
(くまがや)
行田
(ぎょうだ)
吹上
(ふきあげ)
北鴻巣
(きたこうのす)
鴻巣
(こうのす)
北本
(きたもと)
桶川
(おけがわ)
北上尾
(きたあげお)
上尾
(あげお)
宮原
(みやはら)
大宮
(おおみや)
JU07
OMY


















さいたま新都心
(さいたましんとしん)
JU06
浦和
(うらわ)
JU05
URW
赤羽
(あかばね)
JU04
ABN
尾久
(おく)
JU03
上野
(うえの)
JU02
JJ01

UEN
東京
(とうきょう)
JU01
JT01

TYO




































新橋
(しんばし)
JT02
SMB
品川
(しながわ)
JT03
SGW
川崎
(かわさき)
JT04
KWS
横浜
(よこはま)
JT05
YHM
戸塚
(とつか)
JT06
TTK
大船
(おおふな)
JT07
OFN
藤沢
(ふじさわ)
辻堂
(つじどう)
茅ケ崎
(ちがさき)
平塚
(ひらつか)
大磯
(おおいそ)
二宮
(にのみや)
国府津
(こうづ)
  • 御殿場線<御殿場・沼津方面>
鴨宮
(かものみや)
小田原
(おだわら)
早川
(はやかわ)
根府川
(ねぶかわ)
真鶴
(まなづる)
湯河原
(ゆがわら)
熱海
(あたみ)
  • 東海道・山陽新幹線
  • 東海道線<三島・沼津方面>(一部の列車が沼津駅まで乗り入れ。)
  • 伊東線<伊東・伊豆急行線方面>(一部の列車が伊東駅まで乗り入れ。)


常磐線系統:品川〜勝田・成田間) ●:停車 |:通過 

路線名
駅番号
















接続している路線
















品川
(しながわ)
JT03
SGW
新橋
(しんばし)
JT02
SMB
東京
(とうきょう)
JU01
JT01

TYO















上野
(うえの)
JU02
JJ01

UEN
日暮里
(にっぽり)
JJ02
NPR












三河島
(みかわしま)
JJ03 |
南千住
(みなみせんじゅ)
JJ04 |
北千住
(きたせんじゅ)
JJ05
松戸
(まつど)
JJ06

(かしわ)
JJ07
我孫子
(あびこ)
JJ08 |










東我孫子
(ひがしあびこ)
||
湖北
(こほく)
新木
(あらき)
布佐
(ふさ)
木下
(きおろし)
小林
(こばやし)
安食
(あじき)
下総松崎
(しもうさまんざき)
成田
(なりた)
















天王台
(てんのうだい)
JJ09 |
取手
(とりで)
JJ10
  • 関東鉄道常総線<守谷・水海道・下館方面>
藤代
(ふじしろ)
佐貫
(さぬき)
  • 関東鉄道竜ヶ崎線<竜ヶ崎方面>
2020年3月14日「龍ケ崎市」駅へ改称。
牛久
(うしく)
ひたち野うしく
(ひたちのうしく)
荒川沖
(あらかわおき)
土浦
(つちうら)
神立
(かんだつ)
高浜
(たかはま)
石岡
(いしおか)
羽鳥
(はとり)
岩間
(いわま)
友部
(ともべ)
  • 水戸線<下館・小山方面:勝田方面からの一部の列車が直通>
内原
(うちはら)
赤塚
(あかつか)
偕楽園<臨時駅>
(かいらくえん)
観梅シーズンのみの営業。
上りはホームなし。
水戸
(みと)
  • 水郡線<郡山・常陸太田方面>
  • 鹿島臨海鉄道大洗鹿島線<大洗・鹿島神宮方面>
勝田
(かつた)
  • 常磐線<日立・高萩・いわき方面>
  • ひたちなか海浜鉄道湊線<阿字ヶ浦方面>



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