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都営浅草線

【更新内容】2022.11.30 日中時間帯における運行内容(2022年11月26日改正)を更新。

浅草線の主力車両の5300形電車(左)と新型車両の5500形電車(右)

 都市高速鉄道計画第1号線として建設された都営浅草線は1960年12月に最初の区間の押上〜浅草橋間が開通し、日本では初めて京成線と相互乗り入れを開始している。その後、1968年には泉岳寺で京急線と相互乗り入れを開始すると同時に、西馬込駅まで全線が開業している。さらに1991年3月には、京成線経由で京成高砂から北総線(当時は北総・公団線)へ乗り入れて千葉ニュータウンまで達したほか、1998年11月には京急空港線の羽田空港までにも達したと同時に「エアポート快特」の運転を開始したほか、2010年7月17日からは成田スカイアクセス線も加わり、車両や相互乗り入れの面においてバラエティ豊富な路線に成長している。

運行内容

 浅草線における運行内容は、西馬込〜押上〜京成線への直通運転に加えて、京急線〜泉岳寺〜押上〜京成線への運行パターンが大部分を占めている。とくに羽田空港への連絡には積極的で、日中には京急空港線の羽田空港(京急線内は快特およびエアポート急行)から京成線の青砥または京成高砂までのほか、京成高砂から北総線の印旛日本医大までの列車、さらには成田スカイアクセス線経由で成田空港までの列車が運行されている。ほかにも京成線青砥(一部は京成高砂)から京急線三崎口までの直通列車(京急線内は特急。一部は快特)も終日に亘って運行されており、京成線方面から川崎・横浜・横須賀方面などへのアクセス向上に役立っている。

 一方、西馬込駅を発着する列車は、泉岳寺駅までの区間列車が大半であるものの、押上駅および青砥駅を経由して、京成線の京成佐倉駅までの列車が設定されており、京成線内は快速として運転されるほか、ラッシュ時においては京成線内快速特急、および通勤特急、特急なども運転されている。

日中時間帯における運行内容

 2022年11月26日のダイヤ改正における都営浅草線の日中時間帯の運行パターン内容は以下の通り。都営浅草線に加えて、京成押上線も日中時間帯においては完全に一体化されている為に、ここでは押上〜青砥・京成高砂間も併せて記載する。

種別\駅名 京急線
方面
西










京成線・北総線
方面
運転
本数
備  考
エアポート快特 羽田空港←   →成田空港
(成田スカイアクセス線)
1.5本 成田スカイアクセス線経由アクセス特急
京急線内もエアポート快特
京急線内快特 1.5本 京成線内普通
京急線内特急 →印旛日本医大
(北総線)
3本 京成線および北総線内普通
三崎口← 1.5本 京成線内普通
1.5本 京成線内特急
京成線内快速 →成田空港
(京成本線)
3本 京成本線経由快速
泉岳寺で京急線方面列車(泉岳寺〜三崎口間の快特)に接続。
区間列車   3本 泉岳寺で京急線方面列車(三崎口発着の特急)に接続。

エアポート快特

 内容のなかでも興味をひいているのが「エアポート快特」で、1998年11月18日に京急空港線の羽田空港駅(現:羽田空港国内線ターミナル駅)の開業と同時に登場した種別で、浅草線内でも通過運転をするのが特徴的である。浅草線内の停車駅は泉岳寺、三田、大門、新橋、日本橋、東日本橋、浅草、押上となっている。当初は京成線内は特急運転で羽田空港から成田空港を結んでいたものの、2002年10月からは京成線内は快速運転となり、京成線から羽田空港へのアクセス列車に変更されたが、成田スカイアクセス線への利便性目的として2010年7月17日から再び羽田空港から成田空港(京成線内はアクセス特急)への直通運転へと戻っている。

運用中の車両

都営車両

5500形車両

 現在運用されている5300形車両の置き換え用として、2018年6月30日に営業運転を開始した浅草線の次期新型車両。今後は5300形車両と同じ、27編成を置き換えていく予定で、2021年度までに置き換える予定。

5300形車両

 開業時から運用されていた5000形車両の置き換え用として、1991年に登場した浅草線の主力車両。8両編成にて27編成が配置されており、浅草線内運用のほか、京成線や京急線、北総線方面への運用に活躍している。今後は後述の新型車両の5500形車両の登場から、2021年度までに順次廃車される予定。

京成車両

3000形

 従来、活躍している3200形や3300形・3500形未更新車などの代替を目的として、2003年に登場した京成の最新形式通勤型車両。もともと3500形は全車両更新予定であったものの、コストの関係から新型車両の導入への方針となり、登場した車両が3000形車両である。JR東日本のE231系車両を基本に設計され、コスト軽減を図っている。8両編成と6両編成があり、浅草線や京急線への運用には8両編成が使用されている。

3050形

 成田スカイアクセス線のアクセス特急専用車両として2010年に登場した一般形車両。3051編成から3056編成の6編成48両が活躍し、アクセス特急を中心に運用されているものの、ごく稀に本線系統の優等種別運用も受け持っている。

3100形

 2019年10月26日よりより運用を開始した京成電鉄最新通勤型車両。主に成田スカイアクセス線の「アクセス特急」用として運用され、成田スカイアクセス線のラインカラーであるオレンジ色の帯を用いていることが特徴的となっている。この3100形車両のほか、アクセス特急用の3050形車両も3100形と同じオレンジ色塗装に変更される予定。

3700形(前期車)

 旧型3000形系列車両の置き換えをはじめ、成田空港新駅への乗り入れおよび北総線の延伸開業を機に、1991年に登場した一般形車両。8両編成にて登場し、主に京成上野〜成田空港間の本線特急運用に活躍するほか、都営浅草線や京急線へも乗り入れて、羽田空港へのアクセスにも活躍している。

3700形(後期車)

 2000年に登場した3700形車両のマイナーチェンジ版。前面の内容は前照灯を左右上部に配置し、急行灯は後部標識灯と縦並びにして腰部左右に配置されたことや、正面運行番号表示器をマグサイン方式からLED方式にそれぞれ変更されている。8両編成のほか、2編成に6両編成も在籍し、浅草線や京急線への運用では8両編成が活躍している。

3400形

 初代スカイライナーであったAE形(先代)の走行機器などを流用して、3700形車両並みに製造された一般形車両。3700形車両はステンレス製に対して、3400形車両は普通鋼体製となっているのが特徴的である。8両編成5本の40両が活躍し、京成本線への優等種別運用にて受け持っている。 

3600形

 1982年に登場した京成初のワンハンドル車および界磁チョッパ制御車。8両編成が主であり、京成上野〜成田空港および芝山千代田間などで運用されているものの、先頭車が制御式車両であることから、泉岳寺駅からの京急線へは入線できないため、都営浅草線への直通運用については、専ら西馬込駅発着の運用に限定されている。

京急車両

1000形(アルミ製車両)

 2001年から2006年まで製造された1000形車両(新1000形)の初期製造車。8両固定編成である1001F編成から1065F編成までの編成が該当し、京急線方面から京成線および北総線方面への運用を受け持っている。「アクセス特急」には通常運用されないものの、物理的には運用可能となっており、ごく稀に代走で運用されることもある。

1000形(ステンレス製車両)

 2007年以降に登場した京急初のステンレス製車両。1073F編成以降が該当しており、基本的にはアルミ製車両と共通で京急線から京成線や北総線への運用を受け持っているが、「アクセス特急」の運用には1121F編成以降の車両が600形と共通で受け持っている。しかしながら1073F編成から1113F編成までの編成も物理的に「アクセス特急」の運用が可能であり、稀に代走を受け持つこともある。

600形

 1994年に登場した系列。初めは全ての座席がクロスシートで、一部にはラッシュ時に収納するシートも付いていたものの、ラッシュ時の運用が不評だった事もあり、後年はロングシートに改造されている。8両固定編成の車両にて京急線から京成線や北総線への運用ならびに「アクセス特急」の運用にて活躍している。

1500形

 1985年に登場した系列。4両編成をはじめ6両、8両の各編成があり、浅草線や京成線、北総線への運用には8両固定編成が使用され、すべてVVVFインバーター制御車となっている。8両固定編成5編成が運用を受け持っており、成田スカイアクセス線(アクセス特急)への運用には対応されていない。当初は6編成であったが、1701F編成が土砂災害による事故被災の為に2013年に廃車となっている。

北総車両

7300形(7800形)

 北総線の新鎌ヶ谷〜京成高砂間の延伸、および都営浅草線への乗り入れを機に、1991年に登場した京成3700形車両の北総版。京成グループの一員であることから、3700形同様の正面スタイルが印象的で、違いは帯の色だけである。7300形と7800形の2種類存在するが、7300形は自社発注車、7800形は京成からのリース車両となっている。またこの他、千葉ニュータウン鉄道保有の車両に9800形(後述)も存在し、こちらも京成からのリース車両である。

7500形

 北総線の開業時から活躍の7000形車両の置き換え用として2006年に登場した北総鉄道の車両。京成3000形車両と同一仕様となっているのが特長である。2017年現在は8両編成3本の計24両が在籍中。この他、兄弟形式として千葉ニュータウン鉄道所有の9200形も1編成在籍し、事実上北総鉄道の一員となって運用されている。

9100形

 当時の住宅都市整備公団線の千葉ニュータウン中央駅から印西牧の原駅までの延伸を機に、1995年に登場した公団線所有の車両。スマートな前面独自のスタイルから、C-Flyer(シーフライヤー)の愛称が印象的である。当初は北総線及び都営浅草線において自動放送が使用されたが、2004年ごろに中止され、現在は車掌案内で次駅放送などを行っている。

9200形

 前述の7500形車両の千葉ニュータウン鉄道所有の車両。当時の住宅都市整備公団線開業時からの車両であった9000形車両の置き換え用として登場した。現在は1編成のみの在籍で、見かける機会は少ないと云える。

9800形

 前述の7300形および7800形車両の千葉ニュータウン鉄道保有の車両。京成3700形車両のリース車両であり、先に登場の9200形車両とともに9000形車両を置き換えている。こちらも2019年現在は1編成のみの在籍となっている。

路線の特徴

  • 都営浅草線の路線自体は、西馬込〜押上間の18.3qと決して長くはないものの、直通区間の距離においては京成、京急とも長く、京成線での最遠は成田空港駅や東成田駅を経由して芝山鉄道線の芝山千代田駅、北総線では印旛日本医大駅、さらに成田スカイアクセス線を経由して成田空港駅、京急線での最遠は三崎口駅までとそれぞれなっており、京急線から京成線への直通も常に行われ、両路線併せて100qを超える直通運転も実施されている。このような100qを超える直通運転はJR線においては上野東京ラインや湘南新宿ラインなどで見られているものの、東京の地下鉄路線においては当路線のみであったが、2019年現在は千代田線や副都心線(千代田線では取手〜伊勢原間、副都心線は小川町〜元町・中華街間)がそれぞれ加わっている。
  • 基本的に運用などの制限がなければ、どの車両でも直通は可能となっているものの、京成3600形車両は先頭台車が付随台車であることから、先頭台車を電動台車とした車両のみが乗り入れている京急線への乗り入れは実施されていない。一方の京急2100形車両は浅草線内への運用はないものの、泉岳寺駅まで乗り入れている為に、泉岳寺駅に限っては両者の顔合わせがみられる、貴重な存在となっている。
  • 2019年現在、日本の地下鉄では唯一、ATS方式を使用している。

都営浅草線 駅一覧

都営浅草線(西馬込〜押上間) :自社線内および東京メトロ線改札外乗り換え
駅番号





一般全列車
接続している路線
西馬込
(にしまごめ)
A-01





馬込
(まごめ)
A-02
中延
(なかのぶ)
A-03
戸越
(とごし)
A-04
五反田
(ごたんだ)
A-05
高輪台
(たかなわだい)
A-06
京急線直通区間
泉岳寺
(せんがくじ)
A-07
三田
(みた)
A-08
大門
(だいもん)
A-09
新橋
(しんばし)
A-10
東銀座
(ひがしぎんざ)
A-11
宝町
(たからちょう)
A-12
日本橋
(にほんばし)
A-13
人形町
(にんぎょうちょう)
A-14
東日本橋
(ひがしにほんばし)
A-15
浅草橋
(あさくさばし)
A-16
蔵前
(くらまえ)
A-17
浅草
(あさくさ)
A-18
本所吾妻橋
(ほんじょあづまばし)
A-19
押上
(おしあげ)
<スカイツリー前>
A-20
京成線方面直通区間
  • 上記の停車欄において、エアポート快特を除き、京成線内普通はもちろん、快速特急快特)やアクセス特急特急通勤特急快速、京急線内快特特急急行エアポート急行)、および北総線内特急などの場合には、一般全列車として浅草線内は各駅に停車する。
  • 押上駅は京成電鉄にて管理。
脚注
  1. ^ 平成30年3月17日(土)から新たな乗換駅の設定を開始します。(2018年2月15日:東京都交通局報道発表)


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