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東海道線
(東京〜熱海〜沼津)
2024.3.24 戸塚駅を新設。

 JR東日本の東海道線は東京駅から横浜、大船、平塚、小田原を経由して静岡県の熱海駅までの路線。本来の東海道線は東海道本線という名称で、東京駅から横浜、静岡、名古屋、京都、大阪を経由して神戸駅までの路線であるが、本項ではJR東日本が管轄している東京駅から熱海駅までの区間に加え、一部の列車が乗り入れている沼津駅(JR東海管轄区間)までの路線についても記述する。また同じ上野東京ラインに乗り入れている常磐線については品川駅までと短い関係で、ここでは割愛する。

運行内容

 基本的に東京から熱海までの運転をはじめ、途中の平塚・国府津・小田原までの区間列車に加え、熱海から沼津、さらに伊東線へ乗り入れて伊東へ直通する列車が運行されている。この他に湘南新宿ラインで新宿を経由して高崎線へ乗り入れる列車に加え、2015年3月14日からは上野東京ラインで上野を経由の高崎線、および宇都宮線へ乗り入れる列車が加わった。現在、東海道線方面から北側へ乗り入れている列車の最遠では高崎線直通は前橋駅まで、宇都宮線直通は黒磯駅までとそれぞれなっている。

快速アクティー

 東海道線の愛称付き快速列車で2015年3月の上野東京ラインの開業後は、大部分が宇都宮線へ直通し、小金井駅および宇都宮駅まで乗り入れていた[1]。かつては戸塚・辻堂・大磯・二宮・鴨宮・早川・根府川の各駅を通過していたが、現在では辻堂・大磯・二宮・鴨宮が通過駅となっており[2]、実質的な区間快速として機能している。ただし後述の湘南新宿ラインで運転されている快速とは全く関係はない。

 2021年3月13日のダイヤ改正にて本数が大幅に削減され、日中時間帯の運行が終了されたと同時に(併せて宇都宮線への直通も終了)、夜間の下り2本のみ(東京駅発19時48分・20時48分)の運行となり、区間も熱海駅までの運行から小田原駅までに縮小された。

 2023年3月18日ダイヤ改正をもって運行終了予定。

普通

 東海道線の列車線において、すべての駅に停車している種別。上野東京ラインの開業前までは東京駅から平塚駅・国府津駅・小田原駅・熱海駅までの運行が基本であったが、現在では宇都宮線や高崎線から熱海方面の列車に加えて、沼津駅までが1日9往復、伊東駅までが1日5往復それぞれ設定されている。大部分の列車が15両編成で運行されているが、一部10両編成でも運行されている。これらには全て熱海寄りの4号車と5号車(前から4両目と5両目)にグリーン車が連結されている。また朝の上りに宇都宮線内快速ラビット、高崎線内快速アーバンとして運転される列車が各2本設定されている。また例外的であるが、平塚発の熱海行き2本はグリーン車なしの5両編成(付属編成)で運転される。

特別快速(湘南新宿ライン)

 2004年10月16日の湘南新宿ライン本格開業によるダイヤ改正から運行開始した種別で、高崎線の高崎駅から新宿を経由して小田原駅まで運行されている[3]。東海道線内は快速アクティーと停車駅が同じであり、日中1時間に1本運転されている。列車は全列車15両編成にて運行されている[4]。従来から国府津車両センターのE231系近郊型タイプで運用されているが、上野東京ライン開業以降はE233系車両も加わったほか、小山車両センターのE231系近郊型タイプやE233系車両も運用されている。

快速(湘南新宿ライン)

 2001年12月1日の湘南新宿ライン運転開始から運行されている種別。前述の快速アクティーと違うのは西大井駅・新川崎駅・保土ケ谷駅・東戸塚駅に停車している横須賀線列車と湘南新宿ラインの横須賀線・宇都宮線系統の普通列車に対する「快速」となっており、横浜駅からの東海道線内は事実上の普通列車となっている。南行は戸塚駅から「普通」表示となり、北行は始発駅から大崎駅まで「快速」表示として運転される。主な運行区間は高崎線の籠原駅や高崎駅、一部の列車は前橋駅から平塚駅、国府津駅、小田原駅までとなっており、日中は籠原駅から平塚駅までがメインになっている。従来から国府津車両センターのE231系近郊型タイプで運用されているが、上野東京ライン開業以降はE233系車両も加わったほか、小山車両センターのE231系近郊型タイプやE233系車両も運用されており、全列車15両編成にて運行されている[5]

過去の運行種別

通勤快速

 かつて1990年3月10日から2021年3月12日まで平日の下りのみにて、東京〜小田原間を運行していた種別。快速アクティーと異なる点は川崎駅と横浜駅・戸塚駅を通過する点であった。1日3本(19時50分、20時50分、21時50分)が運行されており、上野東京ライン開業後も引き続き東京駅始発で運行されていた。

 2021年3月13日のダイヤ改正にて運行を終了した。

運行車両

一般列車(上野東京ライン・湘南新宿ラインも含む)

 2020年現在、東海道線で活躍している一般の車両については、E231系近郊型とE233系3000番台の2形式(いずれも基本編成の4号車と5号車にグリーン車付き)に統一されており、国府津車両センター(国府津車)ならびに小山車両センター(小山車)に配置され、これらはいずれも共通運用となっている。上野東京ラインの開業(2015年3月14日)までは形式別や配置別に独立したかたちで運用されていたが、上野東京ラインの開業による車両運用の大幅な見直しによって実質的に運用上の区分がなくなり、事実上合理化されたことから、15両編成での運行の場合においては両形式の併結運用ならびに国府津車と小山車との併結運用が見られるなど、形式および所属関係なく運用されており、E231系近郊型グループの一員となって運用されている[6]

 熱海駅から沼津方面のJR東海管轄区間は、沼津駅まで乗り入れているJR東日本の上記2形式を含めて、JR東海にて管理している211系および313系が運用されており、最遠で浜松駅まで運用されている。

車両運用区間

東海道線(東京駅〜熱海駅間)
  • 上野東京ライン(宇都宮線・高崎線直通:黒磯駅・前橋駅〜大宮駅〜上野駅〜東京駅〜横浜駅〜熱海駅〜沼津駅・伊東駅)
  • 湘南新宿ライン(高崎線直通:前橋駅〜大宮駅〜新宿駅〜横浜駅〜小田原駅)

    • E231系近郊型E233系3000番台:国府津車両センターおよび小山車両センター所属。

E231系近郊型(国府津車)

E231系近郊型(小山車)

E233系3000番台(国府津車)

E233系3000番台(小山車)

前述のように、これらはいずれも形式・所属に関係なく共通運用となっており、グループの一員となって広範囲にわたって運用を受け持っている。

東海道線(熱海駅〜沼津駅間<JR東海管轄区間>)
  • (熱海駅〜沼津駅〜静岡駅〜浜松駅)

    • 211系&313系:静岡車両区所属。

211系

313系

特急列車・ライナー(踊り子、湘南ライナー、夜行など)

E261系(サフィール踊り子)

 2020年3月に登場した「スーパービュー踊り子」に代わる展望型特急車両。全車グリーン車となっており、グリーン座席やグリーン個室のほか、初のプレミアムグリーン車の連結が本形式の特長である。

E257系(踊り子)

 これまで中央本線の「あずさ」や「かいじ」で運用されたE257系車両を「踊り子」用に改造したうえで、2020年3月に登場した車両。現在運用されている185系の置き換え用として登場した車両であり、今後は185系の跡を継ぐかたちで、2021年3月のダイヤ改正にて当系列に統一される予定。

285系(サンライズ出雲・瀬戸)

 1998年に登場した夜行寝台電車。これまで運行されたブルートレインの「出雲」・「瀬戸」を発展させるかたちで登場した車両であり、車両はJR東海とJR西日本にてそれぞれ保有している。2020年現在は我が国において唯一の定期夜行列車であり、注目されている存在である。

 特急「踊り子」で活躍している車両には185系車両およびE257系車両に加えて、2020年春からは「スーパービュー踊り子」から代わった「サフィール踊り子」にはE261系がそれぞれ活躍しており、これらは大宮総合車両センターに配置されている。また通勤ライナーの「湘南ライナー」や「おはようライナー新宿」、「ホームライナー小田原」には185系や251系に加えて、オール二階建車両の215系車両(国府津車両センター所属)が活躍している。このほか臨時では伊豆急行から「アルファリゾート」車両が東京〜伊豆急下田間を運行している。

 また過去には東京駅から九州、山陰、四国方面などへの夜行寝台特急列車が発着していたものの、2009年まで順次廃止されて行き、2015年3月現在、定期運行されている列車は「サンライズ出雲(出雲市行き)」と「サンライズ瀬戸(高松行き)」の2列車で、これらは岡山まで連結されて運行されており、実質的に1つの列車として機能している。なお「サンライズ」の車両は285系車両を使用している。

 このほか静岡駅への特急「東海」(1996年から2007年まで。1996年までは急行「東海」)も運行されており、373系車両(急行時代は165系)にて運用されていた。

過去の車両

 かつて1960年代から1980年代にかけての国鉄時代は、横須賀線などとともに113系車両(111系車両も含む)の牙城であった。その後国鉄時代末期には211系車両が登場したものの、基本的には2000年代前半まで3つドア車の天下であった。


113系(1962年〜2006年)

211系(1986年〜2012年)

E217系(2006年〜2015年)

251系(スーパービュー踊り子など)

 「踊り子」の更なるグレードアップによって、1990年に登場した前面展望型車両。「乗ったらそこは伊豆」をテーマコンセプトに、伊豆半島への観光輸送に特化した設計がなされているのが特長であった。1990年4月28日から2020年3月13日までの30年間にわたって活躍し、東京駅や新宿駅・池袋駅・大宮駅から伊豆急下田駅までの「スーパービュー踊り子」号を中心に小田原駅から新宿駅までの「おはようライナー新宿」・「ホームライナー小田原」などで運用された。

185系(踊り子・湘南ライナーなど)

 国鉄時代の1981年に登場した観光レジャーや通勤対応輸送における特急型車両。当時の153系や「踊り子」の前身である「あまぎ」・「伊豆」を発展させるかたちで登場し、以来40年に亘って東海道線の「踊り子」のほか、「湘南ライナー」や高崎線、上越線、吾妻線などの新特急などで活躍した。2020年3月のダイヤ改正より「踊り子」へのE257系2000番台の投入が開始され、2021年3月のダイヤ改正で全列車がE257系に統一され、その後は臨時列車で運用されるが、2022年までに引退の予定。これによって、JR東日本管内で定期運用される特急形電車はJR発足後の車両に統一された。

215系(湘南ライナーなど)

 1992年に登場したオール2階建ての近郊型車両。東海道線の通勤輸送に対応し、着席サービスアップを目的に登場した車両で、10両編成4本が在籍している。登場時は「湘南ライナー」・「湘南新宿ライナー」のほか、快速アクティーで運用されたほか、その後は湘南新宿ラインでも運用されたが、2004年以降は「湘南ライナー」などのみの運用となっていた。2021年3月のダイヤ改正にて「湘南ライナー」が廃止され、新たに特急「湘南」が運行開始とともに、車両はE257系2000番台・2500番台に統一され、本形式の今後の処遇が注目される。

113系

 かつて211系登場前までは113系および111系が活躍し、「湘南電車」として親しまれ、国鉄時代の象徴的な存在でもあった。戦後の「湘南電車」時代の80系から引き継いだこの色は「湘南色」として親しまれ、東海道線をはじめ高崎線や東北本線、上越線、信越本線さらには西側の山陽本線などの路線でも見られた。その後2004年にE231系が登場してからは活躍の場が減っていき、2006年3月でもって湘南色の113系の運用は終了した。

 運用末期においては基本編成全車と付属編成の一部は国府津電車区(→国府津車両センター)に、さらに付属編成のごく一部はJR東海の静岡車両区にそれぞれ配置されており、実際に2004年頃まで基本編成がJR東日本編成、付属編成がJR東海編成との併結が東京駅から熱海駅までの区間でよく見られた。これは後年、上野東京ラインの開通によって国府津車や小山車との併結でもよく似ている。

211系

 国鉄時代最末期の1986年に登場した形式で、同時期に登場した通勤型の205系車両を基本とした設計で、113系と同じ3ドア車の車両としたものである。グリーン車は登場当初は平屋式のみであったが、JR化後の1989年からは2階建車両も連結を開始。以後平屋式グリーン車を宇都宮線・高崎線へ転属させ、2006年までに東海道線のグリーン車は全て2階建車両化された。その後2008年のE233系車両の登場に伴って、2012年4月でもって運用を終了した。なおあくまで運用を終えた区間は東京駅〜熱海駅間、および伊東線であるものの、熱海駅からのJR東海管轄区間では現在も運用されている。

E217系

 本来は横須賀線・総武快速線で活躍している形式であるが、113系車両の引退に伴う車両不足の解消を目的に、ごく一部の編成が転属してきた。横須賀線・総武快速線の11両+4両から東海道線の10両+5両に組み替えられ、東京駅〜熱海駅間の運用に限定された[7]。上野東京ライン開業の車両運用見直しによるE231系とE233系の共通化によって、2015年3月14日の改正にて運用を終了し、本来の横須賀線・総武快速線へ復帰した[8][9]

373系

 2012年3月16日まで東京駅に乗り入れていたJR東海所属の在来線特急車両。1996年3月の特急「東海」(東京〜静岡間)の登場と同時に、夜行快速「ムーンライトながら」(東京〜大垣間)[10]で活躍し、その間合いとして早朝・深夜における東京〜静岡間の普通列車で運用されていた。グリーン車の設備は無く、3両編成を3編成つなげた9両編成で活躍していた。

過去の運行内容

 ここでは通勤快速は前述したため割愛する。かつて国鉄時代より東京駅から熱海および沼津を経由して静岡駅までの普通列車がJR化後も運行されていた。民営化当初は1時間に1本の割合であったが、次第に需要が低下したことに伴って、2004年10月16日改正でもって沼津駅以西におけるグリーン車連結列車の直通運行を廃止した。また373系の項にて前述のように、早朝・深夜において静岡駅へ向かう列車が1往復残されていたが、2012年3月17日改正にて東京〜静岡間の直通運行は完全に廃止された。

 同時に2012年3月17日改正までは国府津駅においても、御殿場線への直通列車が運行されており、東京から国府津経由で山北駅まで乗り入れていた。使用されていた車両は113系の4両編成であったが、2004年以降はE231系の5両編成が受け持っていた。

御殿場線へ乗り入れたE231系車両

 2012年3月までは国府津駅経由での御殿場線への直通列車が運行されており、終了時にはE231系車両の5両編成が運用された。(2007年10月:国府津駅にて撮影)

今後の予定

 JR東日本は東海道線の大船〜藤沢駅の間に新駅を設置することを2021年2月8日に決定し、大船〜藤沢駅間において「村岡新駅」を設置することで神奈川県とJRが協定を結んだことが明らかとなった。2032年度の開業予定。かつては新駅設置場所とほぼ同じ場所に「湘南貨物駅」が1985年まで設置されていたが、貨物駅廃止後も新駅構想は30年以上前から進められており、JR東海道線での新駅設置は、1925年開業の「熱海駅」以来となる。


東海道線 駅一覧 (東京〜熱海〜沼津)

東海道線(東京〜沼津間)・伊東線(熱海〜伊東間) ▼・↓:下りのみの運転。
駅番号






|








宿












宿




接続している路線
直通運転区間
東京
(とうきょう)
JT01
TYO

宿






新橋
(しんばし)
JT02
SMB
品川
(しながわ)
JT03
SGW
※上野東京ラインの常磐線直通列車は当駅発着。
川崎
(かわさき)
JT04
KWS
横浜
(よこはま)
JT05
YHM
戸塚
(とつか)
JT06
TTK
大船
(おおふな)
JT07
OFN
藤沢
(ふじさわ)
JT08
辻堂
(つじどう)
JT09 |
茅ケ崎
(ちがさき)
JT10
平塚
(ひらつか)
JT11
大磯
(おおいそ)
JT12 |
二宮
(にのみや)
JT13 |
国府津
(こうづ)
JT14
鴨宮
(かものみや)
JT15 |
小田原
(おだわら)
JT16 ※湘南新宿ラインの列車は当駅発着。[3]
早川
(はやかわ)
JT17
根府川
(ねぶかわ)
JT18
真鶴
(まなづる)
JT19
湯河原
(ゆがわら)
JT20
熱海
(あたみ)
JT21
CA00
  • 東海道新幹線
  • 伊東線<伊東・伊豆急下田方面>→一部の列車が直通。
函南
(かんなみ)
CA01
三島
(みしま)
CA02
  • 東海道新幹線
  • 伊豆箱根鉄道駿豆線<伊豆長岡・修善寺方面>(→「踊り子」の一部が直通。)
沼津
(ぬまづ)
CA03
  • 東海道線<静岡・浜松方面>→一部の列車が直通。
  • 御殿場線<御殿場方面>

脚注
  1. ^ 宇都宮線内(東京〜宇都宮間)は普通列車であった。
  2. ^ 早川駅・根府川駅には1998年3月14日改正で一部列車が停車、2004年10月16日改正で全列車が停車。さらに戸塚駅には2007年3月18日改正で全列車が停車。
  3. a b 一時期ではあったが、多客期の土休日2往復に小田原駅から熱海駅まで延長運転されていた。この区間の停車駅は、途中真鶴と湯河原の2か所であった。なお2017年4月現在、延長運転の発表はなされていないため、実質終了したものと思われる。
  4. ^ 籠原駅から小田原駅まで。籠原〜高崎間はホームの有効長の関係から、全列車10両編成で運転される。
  5. ^ 籠原駅から小田原駅まで。籠原〜高崎・前橋間は深谷駅発着を除き、ホームの有効長の関係から、全列車10両編成で運転される。(なお深谷駅は3番線ホームが15両対応になっている。)
  6. ^ これと同時に、湘南新宿ラインについてもE233系の運用が開始され、E231系と共通運用が可能になった。実際に湘南新宿ラインでもE231系とE233系との併結が見られている。
  7. ^ 実際には熱海駅から一つ先の、来宮まで運用された。(熱海〜来宮間は回送。)
  8. ^ 一貫して分割運用には充当されずに、15両固定編成で運用された。
  9. ^ 編成数が限られた関係から予備編成はなかったため、検査などにおいての編成不足時は、E231系やE233系が代走していた。 
  10. ^ かつて1996年まで165系で運用されていた頃は、「大垣夜行」と呼ばれていた。 

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