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京葉線
【更新内容】2023.4.13 幕張豊砂駅開業(2023年3月18日開業)

 京葉線は東京駅から舞浜、海浜幕張を経由して千葉県千葉市の蘇我駅へ向かうJRの通勤路線。もともとは貨物線であったものの、総武本線の混雑緩和を目的に旅客線化されている。国鉄時代の1986年3月に最初の区間である西船橋〜千葉港(現在の千葉みなと)[1]の区間が開通し、1990年に東京駅までが延伸されたことによって全通している。今日では横浜線や南武線、京葉線とともに「東京メガループ」に指定されている。 沿線には葛西臨海水族園や東京ディズニーリゾート、幕張メッセなどといった行楽地が存在していることが特長になっている。

概要

 総武線の混雑緩和を目的に建設された路線で、当初は貨物輸送が中心であったが、沿線路線である湾岸地域の開発補強によって、1970年代から旅客線化構想がなされていた。その第一期区間として国鉄時代の1986年に西船橋〜千葉港間が完成し、JR化後は新木場駅まで開通し、同時に武蔵野線との乗り入れも開始。さらに1990年3月10日には新木場〜東京間が完成し、全通となっている。さらに翌年には内房線と外房線の特急列車を総武線経由から京葉線経由へ変更されている。

 なお東京駅から千葉みなと駅までの区間はJR線上における電車特定区間となっており、蘇我駅は区間外となっている。

路線の歴史

  • 1975年5月10日:貨物専用線として蘇我〜千葉貨物ターミナル間が開業。
  • 1986年3月3日:旅客線第一期区間として西船橋〜千葉港間が開業。当初は103系車両(京浜東北色)で運用された。
  • 1988年12月1日:南船橋〜新木場間、および千葉港〜蘇我間や市川塩浜〜西船橋間が開業。同時に武蔵野線との直通を開始。(府中本町駅まで)
  • 1990年3月10日:新木場〜東京間が開業し、全線開通。同時に通勤快速、快速列車の運転を開始。
  • 1991年3月16日:内房線特急「さざなみ」、外房線特急「わかしお」が総武線経由から京葉線経由へ変更され、蘇我駅が特急停車駅に昇格。
  • 1992年3月14日:千葉港駅が千葉みなと駅[1][2]へ変更される。
  • 2000年12月2日:武蔵野線からの乗り入れ区間が、新習志野駅から海浜幕張駅まで延伸。
  • 2010年7月1日:E233系5000番台車両の運行を開始。
  • 2013年3月16日:平日朝ラッシュ時において快速運転を廃し、各駅停車のみの運転に変更。同時に東京駅発着の武蔵野線直通列車が、「快速」から各駅停車へ変更となる。(通勤快速は除く)
  • 2016年9月25日:ATOS(東京圏輸送管理システム)が導入。[3]
  • 2023年3月18日:幕張豊砂駅(新習志野〜海浜幕張間)が開業。

運行内容

 基本的に東京駅から蘇我駅までの線内運転にくわえて、西船橋駅経由で武蔵野線へ乗り入れて、府中本町駅へ乗り入れているほか、朝夕のごく一部の列車は蘇我駅から内房線の君津駅、および外房線の上総一ノ宮駅までそれぞれ乗り入れている。

 特急列車は内房線および外房線への列車が運行されており、館山方面への「さざなみ」、安房鴨川方面への「わかしお」が運転されている。しかしながら、近年の特急は減少傾向が進捗しており、特に「さざなみ」の定期列車に関しては朝夕ラッシュ時の運転になり、東京〜君津間の運転に短縮されている。[4]

 以下、京葉線内においての運行内容を記述する。

房総特急「わかしお」「さざなみ」

 もともと総武線経由で運転されていた経路を、「成田エクスプレス」の運転開始によって、1991年3月16日より京葉線経由に変更されるかたちで運転されている。「わかしお」は東京〜安房鴨川間、「さざなみ」は東京〜館山間の運転であるが、前述のように特急列車における利用客の減少に伴って、「さざなみ」に関しては君津駅までの運転に短縮されている。

 2017年6月現在、255系車両(写真左)とE257系500番台(写真右)の2種類の車両で運用されている。

  • 255系

    • 房総ビューエクスプレス」の愛称で1993年に登場した特急形車両。その愛称から当該車両が使用されたときには、「ビューわかしお」および「ビューさざなみ」の列車名で運用された。2005年12月10日以降は、総武本線の「しおさい」にも運用に加わったことから、「ビュー」の愛称は外され、「わかしお」「さざなみ」の愛称として運用されている。なお当該列車の運用にはグリーン車の設備(4号車)を有している。

      2017年現在は9両編成の5本、計45両が幕張車両センターに配置されている。

  • 257系500番台

    • 国鉄型特急車両である183系車両の置き換え用として2004年に登場した特急形車両。途中駅での分割・併合での運用を考慮した内容から、東京方および銚子・安房鴨川方の先頭車の双方とも前面貫通構造を採用しているのが特長的となっている。当初は「わかしお」や「さざなみ」のみで運用されたが、2005年12月10日以降は「しおさい」「あやめ[5]」でも運用されている[6]。なお、前述の255系車両にはグリーン車が連結されているものの、当該車両は1編成5両の短編成であることから、グリーン車は連結されていない。

      2017年現在は5両編成19本の、計95両が幕張車両センターに配置されている。

通勤快速

 1990年3月10日の全通時に設定された線内最速達種別。平日の朝の上りと夕方の下りに運転されており、いずれも蘇我駅から外房線および内房線、東金線へ直通する。平日朝上り4本、夕方下り2本の内容で、外房線直通が上総一ノ宮発1本と勝浦と東金線経由成東発着の1本、内房線直通が君津発着上り1本と下り2本、上総湊発上り1本となっている。京葉線内の東京〜蘇我間の途中停車駅は、八丁堀と新木場の2駅のみである。

 2024年3月16日実施予定のダイヤ改正にて、運行を終了予定。

快速

 通勤快速と同じく、1990年3月10日の全通時に設定された、日中における最速達種別。登場当初は平日と休日との停車駅が異なり、休日には「マリンドリーム」の愛称で運転されたが、2002年12月1日に停車駅の統一化が図られ、「マリンドリーム」の愛称の廃止と同時に、海浜幕張〜蘇我間は各駅に停車するようになった。これによって海浜幕張駅では海浜幕張発着の各駅停車との接続が図られている。

 運行内容は東京〜蘇我間が基本であるが、日中の1時間に1本は蘇我から外房線の上総一ノ宮まで乗り入れ、外房線内は各駅に停車する。

各駅停車

 線内各駅に停車する種別。東京〜蘇我間の運転が基本的になっているものの、日中の大半が東京〜海浜幕張間の運転となっており、海浜幕張にて蘇我への快速列車と接続している。この他にも京葉車両センターの入出庫関係から、新習志野駅発着が双方向において設定されている。

武蔵野線直通

 京葉線の列車には西船橋駅を経由して、武蔵野線への直通列車も東京および南船橋の各方面から設定されている。東京駅発着については1990年3月10日の全通時には快速運転を実施し、平日と休日との停車駅が異なり、休日には2002年12月1日まで「むさしのドリーム」の愛称で運転された。その後、2013年3月16日より、全列車各駅停車へ変更され、これまで終日通過していた越中島駅と潮見駅が停車駅に追加されている。南船橋側については、大半以上が南船橋駅発着となっているものの、京葉車両センターへの入出庫関係から新習志野駅、および海浜幕張駅発着が設定されている。

運行車両

 2017年における京葉線の運行車両は京葉線内運用、および武蔵野線直通運用の2種類があり、運用車両はいずれも京葉車両センターに配置されている。なお特急については先述している。

京葉線内運用


E233系5000番台

209系500番台
  • E233系5000番台

    • E233系の京葉線向けの車両として10両編成にて製造され、10両固定編成と6両+4両の分割編成とに分けられている。従来の運用車両である201系と205系を置き換える目的で登場し、2010年7月1日から運用を開始した。配置内容は10両固定編成20本(200両)と6両+4両の分割編成4本(40両)の合計240両となっており、京葉線内の運用に加えて、内房線(蘇我〜君津・上総湊間)、外房線(蘇我〜上総一ノ宮間)のほか、分割編成は外房線(蘇我〜勝浦間)、および東金線へそれぞれ運用されている。

  • 209系500番台(10両編成車)

    • 10両固定編成1本が配置されており、運用区間はE233系5000番台と共通である。もともとは総武線や京浜東北線で運用されていたが、2008年に京葉線へ転入している。最盛期には4編成が運用されていたが、3編成が後述の武蔵野線への運用に転出し、8両編成に短編成化されている。

武蔵野線直通運用


205系5000番台

205系武蔵野線オリジナル車

209系500番台(武蔵野線版)
  • 205系

    • 武蔵野線にて運用されている205系車両は、1991年に登場したオリジナル車両と2002年から2005年、および2008年にかけて山手線や中央総武線などから転属してきた5000番台車両とに分けられている。転属の際、主回路を界磁添加励磁制御からVVVFインバータ制御に改造したことが特徴となっている。いずれも8両編成で、2017年現在の配置内容はオリジナル車両が4本(32両)、5000番台車両が36本(288両)となっている。今後2018年度以降、中央・総武線からのE231系車両の転属によって置き換えられる見込み。

  • 209系500番台(8両編成車)

    • もともとは総武線や京浜東北線で運用されていたのを、2008年に京葉線へ転入し、さらに1編成を除いて10両編成から8両編成へと短縮され、2010年12月4日から武蔵野線の運用に転身している。2017年現在は8両編成3本(24両)が運用されている。

過去に活躍した車両


183系(房総特急)

205系京葉線オリジナル車

205系(転入車両)

201系

103系

京葉線が開業した1986年に登場した国鉄時代のオリジナル通勤型車両。京浜東北線のスカイブルー塗色で運用され、当初の4両編成から6両編成、最終的に10両編成へ次第に増強されて行き、東京〜蘇我間で活躍した。2005年の引退後は、写真のように一部車両の先頭車の運転台が鉄道博物館に展示保存されている。

183系(房総特急)

 国鉄時代から活躍し、1991年の京葉線への経路変更時から活躍していた特急形車両。先輩形式の485系車両からの流れを組んで、ドア数を1ドアから2ドアへ増やした点が特長となっていた。2004年まで「わかしお」と「さざなみ」で運用された。

205系

 東京駅延伸を控えた1989年に登場した通勤車両形式で、従来の前面スタイルが白色を基準に、曲面ガラスを採用したオリジナルスタイルが特徴的である。併せてラインカラーの帯も103系で使用されたスカイブルーからワインレッドに変更されたのも、当形式の特徴である。しばらくはこのオリジナル車両であったが、2002年ごろからは103系の置き換え用に、山手線や中央総武線からの転属車両も運用開始され、従来型も帯色がワインレッドで登場している。後年、E233系の運用開始によって2011年で運用を終了し、オリジナル車両は宇都宮線(小金井〜黒磯間)や日光線へ転属している。

201系

 103系車両の置き換え用として、E233系車両が登場する「つなぎ」として活躍した車両。主に中央総武線から転属して登場し、103系車両と同様にスカイブルー塗色で活躍した。10両固定編成と6両+4両編成があり、6両+4両編成は外房線・東金線直通運用(東京〜勝浦・成東間)でも活躍した。やはりE233系車両の登場によって2011年に運用を終了している。

103系

 開通した国鉄時代の1986年から活躍した車両。京浜東北線と同様のスカイブルー塗色で運用され、当初は低運転台車両が多かったが、後年には高運転台車両(ATC仕様車)の転属してきた。同じく直通している武蔵野線でも運用されており、スカイブルー塗色が京葉線用、オレンジ塗色が武蔵野線用と区分けされていた。2005年で運用を終了し、車体の一部は先頭車両のみにカットされて、鉄道博物館に展示保存されている。

E331系(連接14両編成)

 201系車両の置き換え用として、2006年に登場したJR初の連接車両。試験的な要素が極めて強かったことから、1編成14両のみの在籍であった。2007年3月から土休日ダイヤにて運用が開始されたものの、部品修理の点などから2007年10月と2008年3月に製造メーカーに回送され、2008年12月に再び運用開始されたが、半年足らずで再び運用を外れ、2010年4月に再三運用を開始。その後2011年1月の運用離脱以降は、営業運転には付かずに、結局2014年3月に廃車となった。コスト面で期待はされていたものの、まさに「鳴かず飛ばず」であった。

今後の予定(新駅開設)

 JR東日本千葉支社ではこのほど、新習志野駅と海浜幕張駅との間において、新駅「(仮称)幕張新駅」を設置することを発表した。2020年夏ごろ本格工事に着手し、2023年度の開業を予定している。「幕張新駅」はイオンモール幕張新都心周辺に位置する予定で、10両編成に対応する長さ約210mの単式ホーム2面2線を有する構造にて予定されている。(→「幕張新都心拡大地区新駅の工事に着手します(2020年5月15日:JR東日本千葉支社報道発表)」)

京葉線 駅一覧

京葉線(東京〜蘇我間および市川塩浜・南船橋〜西船橋間) ○:一部の列車が停車。     
駅番号














接続している路線
東京
(とうきょう)
JE01






 
八丁堀
(はっちょうぼり)
JE02
越中島
(えっちゅうじま)
JE03 | |
潮見
(しおみ)
JE04 | |
新木場
(しんきば)
JE05
葛西臨海公園
(かさいりんかいこうえん)
JE06 | |
舞浜
(まいはま)
JE07 |
  • 舞浜リゾートライン
新浦安
(しんうらやす)
JE08 |
市川塩浜
(いちかわしおはま)
JE09 | |
西船橋
(にしふなばし)
- ||
二俣新町
(ふたまたしんまち)
JE10 | |







 
||
南船橋
(みなみふなばし)
JE11 | |
新習志野
(しんならしの)
JE12 | |
幕張豊砂
(まくはりとよすな)
JE13 | |
海浜幕張
(かいひんまくはり)
JE14 |
検見川浜
(けみがわはま)
JE15 |
稲毛海岸
(いなげかいがん)
JE16 |
千葉みなと
(ちばみなと) 
JE17 |
蘇我
(そが)
-
  • 外房線<大網・上総一ノ宮・成東方面>(一部の列車が直通)
  • 内房線<木更津・君津方面>(一部の列車が直通)

脚注

  1. ^ a b  もともと読み仮名に関しては、「ちばみなと」のままとなっている。
  2. ^  なおSuicaやPASMOなどの交通系ICカードの履歴印字については、「千葉港」と開業当時の内容になっている。
  3. ^  これに先駆けて、2か月前の7月24日に蘇我駅において、スタンドアローンとして先行導入されている。
  4. ^  こういった背景には東京湾アクアラインのほか、館山自動車道の開通による高速バス路線網の発達が挙げられており、東京駅から南房総方面への所要時間が大幅に短縮されたことが、利用客減への拍車となっている。
  5. ^  2015年3月13日に定期運行を終了
  6. ^  この置き換えによって、房総特急で運用された183系の定期運行を終了した。

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