京葉線は東京駅から舞浜、海浜幕張を経由して千葉県千葉市の蘇我駅へ向かうJRの通勤路線。もともとは貨物線であったものの、総武本線の混雑緩和を目的に旅客線化されている。国鉄時代の1986年3月に最初の区間である西船橋〜千葉港(現在の千葉みなと)[1]の区間が開通し、1990年に東京駅までが延伸されたことによって全通している。今日では横浜線や南武線、京葉線とともに「東京メガループ」に指定されている。 沿線には葛西臨海水族園や東京ディズニーリゾート、幕張メッセなどといった行楽地が存在していることが特長になっている。 概要総武線の混雑緩和を目的に建設された路線で、当初は貨物輸送が中心であったが、沿線路線である湾岸地域の開発補強によって、1970年代から旅客線化構想がなされていた。その第一期区間として国鉄時代の1986年に西船橋〜千葉港間が完成し、JR化後は新木場駅まで開通し、同時に武蔵野線との乗り入れも開始。さらに1990年3月10日には新木場〜東京間が完成し、全通となっている。さらに翌年には内房線と外房線の特急列車を総武線経由から京葉線経由へ変更されている。 なお東京駅から千葉みなと駅までの区間はJR線上における電車特定区間となっており、蘇我駅は区間外となっている。 路線の歴史
運行内容基本的に東京駅から蘇我駅までの線内運転にくわえて、西船橋駅経由で武蔵野線へ乗り入れて、府中本町駅へ乗り入れているほか、朝夕のごく一部の列車は蘇我駅から内房線の君津駅、および外房線の上総一ノ宮駅までそれぞれ乗り入れている。 特急列車は内房線および外房線への列車が運行されており、館山方面への「さざなみ」、安房鴨川方面への「わかしお」が運転されている。しかしながら、近年の特急は減少傾向が進捗しており、特に「さざなみ」の定期列車に関しては朝夕ラッシュ時の運転になり、東京〜君津間の運転に短縮されている。[4] 以下、京葉線内においての運行内容を記述する。 房総特急「わかしお」「さざなみ」もともと総武線経由で運転されていた経路を、「成田エクスプレス」の運転開始によって、1991年3月16日より京葉線経由に変更されるかたちで運転されている。「わかしお」は東京〜安房鴨川間、「さざなみ」は東京〜館山間の運転であるが、前述のように特急列車における利用客の減少に伴って、「さざなみ」に関しては君津駅までの運転に短縮されている。 2017年6月現在、255系車両(写真左)とE257系500番台(写真右)の2種類の車両で運用されている。
通勤快速1990年3月10日の全通時に設定された線内最速達種別。平日の朝の上りと夕方の下りに運転されており、いずれも蘇我駅から外房線および内房線、東金線へ直通する。平日朝上り4本、夕方下り2本の内容で、外房線直通が上総一ノ宮発1本と勝浦と東金線経由成東発着の1本、内房線直通が君津発着上り1本と下り2本、上総湊発上り1本となっている。京葉線内の東京〜蘇我間の途中停車駅は、八丁堀と新木場の2駅のみである。 2024年3月16日実施予定のダイヤ改正にて、運行を終了予定。 快速通勤快速と同じく、1990年3月10日の全通時に設定された、日中における最速達種別。登場当初は平日と休日との停車駅が異なり、休日には「マリンドリーム」の愛称で運転されたが、2002年12月1日に停車駅の統一化が図られ、「マリンドリーム」の愛称の廃止と同時に、海浜幕張〜蘇我間は各駅に停車するようになった。これによって海浜幕張駅では海浜幕張発着の各駅停車との接続が図られている。 運行内容は東京〜蘇我間が基本であるが、日中の1時間に1本は蘇我から外房線の上総一ノ宮まで乗り入れ、外房線内は各駅に停車する。 各駅停車線内各駅に停車する種別。東京〜蘇我間の運転が基本的になっているものの、日中の大半が東京〜海浜幕張間の運転となっており、海浜幕張にて蘇我への快速列車と接続している。この他にも京葉車両センターの入出庫関係から、新習志野駅発着が双方向において設定されている。 武蔵野線直通京葉線の列車には西船橋駅を経由して、武蔵野線への直通列車も東京および南船橋の各方面から設定されている。東京駅発着については1990年3月10日の全通時には快速運転を実施し、平日と休日との停車駅が異なり、休日には2002年12月1日まで「むさしのドリーム」の愛称で運転された。その後、2013年3月16日より、全列車各駅停車へ変更され、これまで終日通過していた越中島駅と潮見駅が停車駅に追加されている。南船橋側については、大半以上が南船橋駅発着となっているものの、京葉車両センターへの入出庫関係から新習志野駅、および海浜幕張駅発着が設定されている。 運行車両2017年における京葉線の運行車両は京葉線内運用、および武蔵野線直通運用の2種類があり、運用車両はいずれも京葉車両センターに配置されている。なお特急については先述している。 京葉線内運用
武蔵野線直通運用
過去に活躍した車両
183系(房総特急) 国鉄時代から活躍し、1991年の京葉線への経路変更時から活躍していた特急形車両。先輩形式の485系車両からの流れを組んで、ドア数を1ドアから2ドアへ増やした点が特長となっていた。2004年まで「わかしお」と「さざなみ」で運用された。 205系 東京駅延伸を控えた1989年に登場した通勤車両形式で、従来の前面スタイルが白色を基準に、曲面ガラスを採用したオリジナルスタイルが特徴的である。併せてラインカラーの帯も103系で使用されたスカイブルーからワインレッドに変更されたのも、当形式の特徴である。しばらくはこのオリジナル車両であったが、2002年ごろからは103系の置き換え用に、山手線や中央総武線からの転属車両も運用開始され、従来型も帯色がワインレッドで登場している。後年、E233系の運用開始によって2011年で運用を終了し、オリジナル車両は宇都宮線(小金井〜黒磯間)や日光線へ転属している。 201系 103系車両の置き換え用として、E233系車両が登場する「つなぎ」として活躍した車両。主に中央総武線から転属して登場し、103系車両と同様にスカイブルー塗色で活躍した。10両固定編成と6両+4両編成があり、6両+4両編成は外房線・東金線直通運用(東京〜勝浦・成東間)でも活躍した。やはりE233系車両の登場によって2011年に運用を終了している。 103系 開通した国鉄時代の1986年から活躍した車両。京浜東北線と同様のスカイブルー塗色で運用され、当初は低運転台車両が多かったが、後年には高運転台車両(ATC仕様車)の転属してきた。同じく直通している武蔵野線でも運用されており、スカイブルー塗色が京葉線用、オレンジ塗色が武蔵野線用と区分けされていた。2005年で運用を終了し、車体の一部は先頭車両のみにカットされて、鉄道博物館に展示保存されている。 E331系(連接14両編成) 201系車両の置き換え用として、2006年に登場したJR初の連接車両。試験的な要素が極めて強かったことから、1編成14両のみの在籍であった。2007年3月から土休日ダイヤにて運用が開始されたものの、部品修理の点などから2007年10月と2008年3月に製造メーカーに回送され、2008年12月に再び運用開始されたが、半年足らずで再び運用を外れ、2010年4月に再三運用を開始。その後2011年1月の運用離脱以降は、営業運転には付かずに、結局2014年3月に廃車となった。コスト面で期待はされていたものの、まさに「鳴かず飛ばず」であった。 今後の予定(新駅開設) JR東日本千葉支社ではこのほど、新習志野駅と海浜幕張駅との間において、新駅「(仮称)幕張新駅」を設置することを発表した。2020年夏ごろ本格工事に着手し、2023年度の開業を予定している。「幕張新駅」はイオンモール幕張新都心周辺に位置する予定で、10両編成に対応する長さ約210mの単式ホーム2面2線を有する構造にて予定されている。(→「幕張新都心拡大地区新駅の工事に着手します(2020年5月15日:JR東日本千葉支社報道発表)」) 京葉線 駅一覧
脚注
|