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武蔵野線

 武蔵野線は東京都府中市の府中本町駅から西国分寺、南浦和、新松戸を経由して千葉県船橋市の西船橋駅へ向かうJRの通勤路線、ならびに東京の外郭環状路線。外郭環状路線であることから横浜線や南武線、京葉線とともに「東京メガループ」に指定されている。 本来は神奈川県横浜市鶴見区の鶴見駅から新鶴見信号所、梶ヶ谷貨物駅[1]を経由して、府中本町駅までの貨物線区間も含まれているが、本項では通勤路線区間である府中本町駅から西船橋駅までの区間について主に述べる。

概要

 首都圏の通勤旅客輸送、および山手貨物線における貨物輸送の混雑緩和を目的に国鉄が建設した路線で、1973年に府中本町〜新松戸間、1978年に新松戸〜西船橋間が開通し、府中本町〜西船橋間の通勤旅客輸送が開始されたほか、貨物路線区間では1976年に鶴見〜府中本町・北府中間がそれぞれ開通している。旅客輸送では中央本線や総武本線などから東北本線、常磐線などへの短絡輸送。貨物輸送では東海道本線や中央本線、総武本線などから東北本線や常磐線などへの短絡経路に役立たれているのが特徴である。

路線の歴史

  • 1973年4月1日:旅客線第1期区間として府中本町〜新松戸間が開通。この時、同時に北府中駅を管理していた下河原線(国分寺〜東京競馬場前間)が廃止。
  • 1976年3月1日:貨物線区間である鶴見〜梶ヶ谷貨物ターミナル[1]〜府中本町間が開通。
  • 1978年10月2日:旅客線第2期区間である新松戸〜西船橋間[2]が開通。
  • 1988年12月1日:京葉線の開通によって、京葉線への乗り入れを開始。(当時は新習志野駅および新木場駅まで乗り入れ)
  • 1990年3月10日:京葉線の新木場〜東京間の延伸によって、京葉線の東京駅まで乗り入れを開始。(西船橋〜東京間は快速)
  • 2000年12月2日:京葉線の南船橋側の乗り入れ区間が、海浜幕張駅まで延伸。
  • 2010年12月4日:武蔵野線から大宮駅への直通列車として、「むさしの号」(府中本町側)と「しもうさ号」(西船橋側)が新設。
  • 2013年3月16日:東京駅直通列車の京葉線内の種別が、「快速」から各駅停車へ変更となる。

運行内容

 基本的に府中本町〜西船橋間の運転にくわえて、ほとんどの列車が西船橋から先の京葉線へ乗り入れ、南船橋および東京まで乗り入れている。東京駅発着の列車については、京葉線内はかつて快速運転を行っていたが、2013年3月16日から各駅に停車し、武蔵野線内の定期列車はすべて各駅停車に統一されている。また、この他にも車両の出入庫関係から、東所沢駅や南越谷駅発着のほか、平日の朝には吉川美南発西船橋行きのほか、南船橋から先の、新習志野駅や海浜幕張駅発着の列車も、朝夕に設定されている。
 日中の運行パターンは1時間に6本と均等で、すべて府中本町駅発着であり、前述のようにほとんどの列車が京葉線へ直通し、東京駅および南船橋駅まで乗り入れている。

 このほか、武蔵野線内から大宮駅へ直通する列車として、以下の2列車が運行されている。

むさしの号・しもうさ号

 東北新幹線の新青森駅開業を機に、武蔵野線沿線から大宮駅までのアクセス強化を図って、2010年12月4日に運転開始された定期列車。八王子(一部、府中本町)〜大宮間の「むさしの号」と新習志野(一部、海浜幕張および西船橋)〜大宮間の「しもうさ号」がそれぞれ運転されている。

むさしの号

  • 中央線の八王子から立川を経由して、大宮へ向かう列車の愛称。国立駅から西国分寺駅手前の短絡線より武蔵野線に入り、西浦和駅の脇を通過して、東北貨物連絡線経由にて大宮駅に向かう形となる。八王子〜大宮間を1日3往復が基本に、朝の平日2本、土休日1本は府中本町駅発となっている。停車駅は八王子〜大宮間は中央線の八王子〜国立間と新小平〜北朝霞間のそれぞれ各駅と、大宮。府中本町駅発は府中本町〜北朝霞間は各駅に停車したうえで、大宮に停車する。

しもうさ号

  • 西船橋方面から大宮へ向かう列車の愛称。西船橋から武蔵浦和までの武蔵野線内は各駅に停車したうえで、大宮駅に向かう。1日3往復が運転されており、武蔵野線内の西船橋駅発着が1往復、その先の京葉線内である新習志野駅発着が大宮発1本と新習志野発が2本、海浜幕張行きが朝の1本となっている。

運行車両

  • 209系500番台

    • もともとは中央・総武線や京浜東北線で運用されていたのを、2008年に京葉線へ転入し、さらに1編成を除いて10両編成から8両編成へと短縮され、2010年12月4日から武蔵野線の運用に転身している。2017年現在は8両編成3本(24両)が運用されている。

  • E231系

    • こちらももともとは中央・総武線で運用されていたのを、2017年に転入し、運用を開始した車両。現在運用されている205系車両の置き換え用として登場し、10両編成から8両編成へと短縮されたうえで、武蔵野線用へと転身している。今後は中央・総武線からの車両が順次転入したうえで、209系500番台とともに、この車両へと統一されて行く見込み。

これらの車両は一部を除いて、当初は豊田電車区に配置されたが、現在はいずれも京葉車両センターに配置されている。

過去に活躍した車両

205系(2020年10月19日運用終了)

武蔵野線にて運用されていた205系車両は、1991年に登場したオリジナル車両(左)と2002年から2005年、および2008年にかけて山手線や中央総武線などから転属してきた5000番台車両(右)とに分けられていた。転属の際、主回路を界磁添加励磁制御からVVVFインバータ制御に改造したことが特徴となっていた。いずれも8両編成で、2017年現在の配置内容はオリジナル車両が4本(32両)、5000番台車両が36本(288両)となっていた。中央総武線からのE231系車両へ順次置き換えられたことに伴い、2020年10月19日の運用をもって全編成の運用を終了している。

103系

かつての武蔵野線は103系車両の牙城であり、写真の高運転台車のほか、低運転台車も数多く在籍していた。101系からの置き換え当初は6両編成が基本であったが、順次8両編成化されて行き、1996年に全編成8両編成に増強された。その後は山手線や中央総武線からの205系車両の転入に伴う置き換えによって、2005年12月に全編成の運用を終了し、一部はインドネシアへ売却されている。

101系

 1973年の開業時においては長大トンネル対策を施した1000番台車両が運用された。1986年に引退するまで一貫して6両編成で運用され、前面の行先表示では「府中本町西船橋」と表示されていた。

路線の特徴

  • 概要の項目にて前述のように、当初は首都圏における貨物輸送のバイパス路線として計画、建設されたことから、1973年の開業当初は旅客列車よりも貨物列車が圧倒的に多かったが、後年になって沿線の宅地化が急ピッチで進んだことや、貨物列車の輸送量が徐々に減少してきたことから、現在では通勤旅客輸送が主要の路線へと発展しており、途中駅の新駅開設も積極的に行われている。[3]
  • 開業時においては、駅務内容の近代化を図るために、一部を除く大多数の駅において、自動改札機や自動精算機などが導入され、国鉄における合理化政策も話題になった。

武蔵野線 駅一覧

武蔵野線(府中本町〜西船橋間)  
駅番号











接続している路線
府中本町
(ふちゅうほんまち)
JM35







北府中
(きたふちゅう)
JM34
西国分寺
(にしこくぶんじ)
JM33

新小平
(しんこだいら)
JM32 [4]
新秋津
(しんあきつ)
JM31

東所沢
(ひがしところざわ)
JM30
新座
(にいざ)
JM29
北朝霞
(きたあさか)
JM28

西浦和
(にしうらわ)
JM27





武蔵浦和
(むさしうらわ)
JM26

南浦和
(みなみうらわ)
JM25

東浦和
(ひがしうらわ)
JM24
東川口
(ひがしかわぐち)
JM23

南越谷
(みなみこしがや)
JM22

越谷レイクタウン
(こしがやレイクタウン)
JM21
吉川
(よしかわ)
JM20
吉川美南
(よしかわみなみ)
JM19
新三郷
(しんみさと)
JM18
三郷
(みさと)
JM17
南流山
(みなみながれやま)
JM16

新松戸
(しんまつど)
JM15

新八柱
(しんやはしら)
JM14

東松戸
(ひがしまつど)
JM13

市川大野
(いちかわおおの)
JM12
船橋法典
(ふなばしほうてん)
JM11
西船橋
(にしふなばし)
JM10

脚注

  1. ^ a b 至近に位置している、東急田園都市線の梶が谷駅とは場所は異なる。
  2. ^ 小金線として建設された区間。
  3. ^ とくに西船橋駅までの開通以降は宅地化が著しく進行し、1985年には新三郷駅や武蔵浦和駅が、1998年には東松戸駅、2008年には越谷レイクタウン駅、2012年には吉川美南駅がそれぞれ開業している。
  4. ^ 制度上における乗換駅ではないが、西武多摩湖線の青梅街道駅に近い。
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