京成本線は、上野(京成上野)から青砥、京成高砂、京成船橋、京成津田沼、および京成成田の各駅を経由して、成田空港へ向かう京成電鉄の主要通勤路線である。京成上野〜成田空港間の輸送に加えて、都営浅草線および京急線方面へ乗り入れて、成田空港〜羽田空港への輸送も積極的に行っているほか、沿線の通勤輸送ならびに成田山新勝寺への参拝輸送においても欠かせない存在になっている。 本項目では、かつての本線であった東成田線(京成成田〜東成田間)、およびその先の芝山鉄道線(東成田〜芝山千代田間)についても述べる。 運転内容 京成では2016年現在、成田空港へのスカイライナーをはじめ、モーニングライナーやイブニングライナーなどの通勤ライナーのほか、一般種別では快速特急(快特)、アクセス特急、特急、通勤特急、快速、普通(各駅停車)がそれぞれ運行されている。なお、過去には急行も設定されていたが、快速へ置き換わるかたちで、2010年7月の改正で廃止されている。 日中時間帯における運転内容 2022年2月26日改正からにおける京成本線(京成上野〜成田空港間)の日中時間帯における運行パターン内容は、以下の内容となっている。なおここでは押上線および都営浅草線方面からの青砥〜京成高砂間のみ(北総線直通などを含む)は割愛する。
スカイライナー・モーニングライナー・イブニングライナー 京成上野から成田空港へ運転されている京成電鉄の看板列車。長年、京成本線経由で運転されていたが、2010年7月17日の成田スカイアクセス線の開業とともに成田スカイアクセス線経由へ変更され、同時に日暮里〜空港第2ビル間の所要時間が従来の本線経由の51分から新線経由の36分へと大幅に短縮されている。
快速特急 2006年12月10日に特急の格上げとして登場した種別。従来の特急と停車駅が同一であるが、特急が京成佐倉から各駅停車化される為に設定されている。当初は都営浅草線を介して乗り入れている京急線に合わせて、「快特(かいとく)」と称されていたが、後述の快速と読み方や聞き方が紛らわしく、また誤乗も多かったことから、2010年7月17日からは正式に「快速特急」へ変更されている。 主な運行区間は京成上野駅から成田空港駅、および東成田駅を経由して芝山鉄道線の芝山千代田駅へのほか、押上線経由で都営浅草線および京急線方面からも運行されており、基本は朝の上り列車と夕方以降の下り列車のみの設定であるが、押上線では日中も羽田空港〜青砥間にて運行されており、青砥駅で京成上野〜成田空港間の特急と接続している。さらに2019年10月26日改正からは本線でも日中時間帯に運行され、京成上野〜京成成田間で運行される予定。
アクセス特急 2010年7月17日の成田スカイアクセス線開業と同時に登場した列車種別。成田スカイアクセス線内唯一の一般種別列車であり、京成高砂〜印旛日本医大間は北総線と線路を共用し、印旛日本医大駅からは独自の新線区間を通って、途中、成田湯川駅に停車し、空港第2ビル駅および成田空港駅へと向かう。主に京急線の羽田空港駅から都営浅草線、成田スカイアクセス線を経由して、成田空港駅まで運転されており、都営浅草線および京急線内はごく一部を除いて「エアポート快特」として運転される。この他、京成上野駅や西馬込駅などを発着する列車も設定されているが、これらは基本的に朝夕に運転されている。 特急 京成本線においては主要な優等種別である。主な運行区間は京成上野駅から成田空港駅までであり、京成船橋駅および京成成田駅などを経由している。京成上野〜成田空港間の運行が中心であるが、朝晩には京成成田駅および芝山千代田駅発着も設定されている。かつては全区間通過運転であったが、2006年12月10日以降は京成佐倉駅から各駅に停車されることとなり、従来の特急は快速特急(快特)へ格上げられている。 通勤特急 平日の朝の上り、および夜の下りに設定されている種別。勝田台駅を境に上野方は快速特急および特急の停車駅に停車し、成田方は各駅に停車する。朝の上りは大部分が京成上野駅行きであるが、京成成田駅発8時35分の1本は西馬込行きとなっている。一方、夜の下りはすべて都営浅草線からであり、西馬込駅発に加えて、一部は京急線の羽田空港駅からも運転されている。 快速 従来運転されていた急行(後述)に代わって、2002年10月12日に登場した種別。急行と異なる点は停車駅を一部削減し、本線では町屋・堀切菖蒲園・国府台・市川真間・谷津。押上線では京成曳舟・京成立石の各駅は停車駅から外されている。日中においては、西馬込駅から京成佐倉駅までが主要な運行区間となっており、京成佐倉駅にて京成上野〜成田空港間の特急と接続している。またそれ以外には京成上野駅や京成成田駅、成田空港駅、芝山千代田駅、羽田空港駅などを発着している列車も設定されているが、これらは朝晩の運転になっている。 現在は日中時間帯、西馬込〜京成佐倉間であるものの、2019年10月26日改正からは一部の列車が成田空港まで延長される予定。 普通 全区間通じて各駅に停車する種別で、大まかな運転区間では京成上野〜京成津田沼間、および京成臼井間(行先表示は「うすい」)が典型的な区間となっており、日中時間帯は各列車とも20分間隔で運転されている。いる。本線区間においては6両編成がほとんどであるが、京成上野〜京成高砂間を運行する列車の一部には8両編成も運用される。過去には4両編成も数多く運用されていたが、6両編成車が多く登場したことや、4両編成のみに限定されていた博物館動物園駅の廃止(1997年に休止され、2004年に廃止)、ならびに金町線直通が廃止されたことなどが絡んでいる。また押上線においても押上〜青砥・京成高砂間にて運転されているが、これらはすべて8両編成で運転されており、ほとんどが都営浅草線および京急線への直通列車に加えて、京成高砂駅からの北総線直通列車も運転されている。 また、京成成田駅から東成田駅を経由して、芝山鉄道線の芝山千代田駅に至っている普通列車は、日中時間帯は40分間隔で運転を行っており、ほとんどが6両編成で運転されている。 過去の列車種別 急行 かつて2010年7月16日まで運用されていた種別。快速の前身にあたっており、停車駅は快速停車駅に町屋・堀切菖蒲園・国府台・市川真間・谷津。押上線では京成曳舟・京成立石がそれぞれプラスされていた。主に押上線において運行されており、京成成田駅および東成田駅発着で運行されていた。一方の京成上野駅発着は朝晩のみであった。本線系統は2002年10月11日でもって廃止され、押上線のみで都営浅草線および京急線方面から青砥駅、および京成高砂駅まで運転され、押上線においても2010年7月16日でもって廃止されている。なお、京成高砂駅からの北総線内の急行は現在も平日の夕方ラッシュ時に、下りの3本が運転されている。
シティライナー(臨時列車化) 2010年7月17日以前のスカイライナーの経路で、京成上野駅から成田空港駅まで運転された有料特急列車。京成本線経由で運転され、途中、日暮里と青砥、京成船橋、京成成田に停車し、空港第2ビルおよび成田空港を結んでいた。当初は成田空港駅までであったが、東日本大震災以降は節電の関係から京成成田駅まで短縮され、本数も激減された。その後も利用客減が続き、2015年12月5日のダイヤ改正において定期列車としての運行は終了し、以降は正月の成田山参拝用のみの臨時列車として、京成上野〜京成成田間で運行されている。
京成では駅名においては、頭に京成と付く駅名が多数存在しているものの、ほとんどは頭の京成を省略している(例として京成上野→上野、京成高砂→高砂、京成成田→成田など)。これは行先表示においても同じであるが、なかでも京成臼井駅の臼井では、行先表示に「うすい」とひらがなで表記されている。これは京成高砂駅にて相互乗り入れしている北総線の白井駅との間違いを防ぐためであり、車両の行先表示はもちろん、駅の案内表示機などでも「うすい」と表示されている。 この他、芝山鉄道線の芝山千代田行きには、東成田駅を経由していることから「(東成田)芝山」と表記され、末尾の千代田の部分は表示されない代わりに、カッコに東成田を入れている。 しかし近年ではLEDを装備している車両において行先表示の変更がなされており、これまで京成表示なしであったものが「京成○○」と表示(例:上野→「京成上野」、高砂→「京成高砂」、成田→「京成成田」など)されるようになっている。なお幕式を装備している車両は従来通りのままである。
芝山鉄道線における乗車券の扱い 京成線内における乗車券の扱いは、基本的に切符や定期券、回数券などを取り扱っているものの、東成田駅からの芝山鉄道線においてはIC乗車券(PASMOおよびSuica)は取り扱っていない[2]。その為、芝山鉄道線へ乗車する場合(つまり、芝山千代田駅へ行く場合。)は、あらかじめ事前に切符を購入するかたちとなる。万が一、ICカードで芝山千代田駅まで乗り越した場合は、現金で精算後に「PASMO・Suica処理連絡票」が渡され、次回導入各社の駅窓口に提出して、降車処理を依頼するかたちとなる。(→芝山鉄道線における交通系ICカードの取扱いについて・・・・芝山鉄道HP) |
■京成東成田線■(京成成田〜東成田間)・■芝山鉄道線■(東成田〜芝山千代田間)
脚注 |