東京メトロ千代田線東京メトロ千代田線は都市高速鉄道計画9号線によって建設され、東京都足立区の綾瀬駅から北千住、大手町、霞ケ関、表参道を通って代々木上原駅に至る東京メトロの地下鉄路線。支線では綾瀬駅から北綾瀬駅までの通称「北綾瀬線」もある。相互乗り入れでは綾瀬駅でJR常磐線各駅停車と、代々木上原駅で小田急小田原線および小田急多摩線と乗り入れを行っている。 運行内容千代田線の運行内容は代々木上原駅〜綾瀬駅間の本線運用と綾瀬駅〜北綾瀬駅間の支線運用とに分離されており、本線では代々木上原駅で小田急線、綾瀬駅で常磐緩行線と相互乗り入れを行っている。パターン的には基本的に代々木上原〜綾瀬間の線内だけの運転を中心に常磐線から千代田線内、もしくは小田急線から千代田線内への運転に加えて、小田急線から千代田線を経由して常磐線へ乗り入れる運行もそれぞれ存在している。2019年5月現在において、小田急線への乗り入れ区間は急行や準急、各駅停車などにて最遠で伊勢原駅まで、常磐線への乗り入れ区間は朝夕は取手駅まで、日中は我孫子駅まで乗り入れており、これらは千代田線内はすべて各駅に停車している。また小田急線からは2008年3月から特急ロマンスカーの乗り入れが始まり、朝夕は本厚木駅発着の「メトロさがみ(北千住行)」と「メトロホームウェイ(本厚木行き)」が、日中には箱根湯本駅へ定期運行の「メトロはこね」が運転されている。過去には本厚木駅から千代田線を経由し、有楽町線の豊洲駅および新木場駅へ直通する期間限定の「ベイリゾート」が運転されていた。ロマンスカーの千代田線内の停車駅は表参道、霞ケ関、大手町、北千住であるが、代々木上原駅では乗務員交替するために運転停車しており、通常の客扱いによる停車はしない。 一方、支線(通称:北綾瀬線)では綾瀬駅〜北綾瀬駅間の折り返し運用に加えて、2019年3月16日から代々木上原方面(小田急線直通も含む)からの直通列車も運転されている。この区間は途中駅がなく、また全区間地上高架区間となっているのが特徴的である。 日中時間帯における運行内容(2022年3月12日改正)【代々木上原〜綾瀬間】
【綾瀬〜北綾瀬間】
運行車両千代田線で運用されている車両は2019年5月現在、以下の5形式にて運行されており、このうちメトロ16000系とJR東日本E233系、小田急4000形は3社直通運転(取手〜綾瀬〜代々木上原〜伊勢原間)で運用されている。 東京メトロ車両
他社線からの車両
過去の運行車両
5000系東西線に次いで1971年の千代田線開業時に登場した車両。1981年までは本線で活躍し、大部分が東西線へ転属したほかは北綾瀬線で活躍していた。長年北綾瀬線にて活躍してきたが、老朽化によって東西線からの05系車両への置き換えによって2014年に引退し、東西線車両も含めて5000系全車両引退した。 6000系当時の営団地下鉄初の電機子チョッパ制御車両として1968年に登場した千代田線の長年における主力車両。試作車も含めて1968年から1990年までに36編成353両が製造された。2010年からは16000系への置き換えによって老朽廃車が始まり、すでに電機子チョッパ車は全廃となっている。なお試作車の6001F編成は当初から小田急線への乗り入れは行われていない。16000系の増備によって順次廃車され、2018年10月5日に定期運用を終了し、11月11日の臨時運用を最後に引退した。 6000系試作車営団地下鉄や世界初のサイリスタチョッパ制御の実用化を図るために、1968年に3両編成のアルミ合金製の車体として登場した試作車両。6000系の量産導入に先駆け、電機子チョッパや回生ブレーキなど数多く導入し、6000系の量産へつなげている。5000系と共通で北綾瀬線で活躍し、1990年代半ばには5000系並みに抵抗制御へ改造されている。2014年には老朽化によって東西線からの05系へ置き換えられて廃車されている。 06系千代田線の輸送力増強を目的に有楽町線の07系(当時、現在は東西線へ転籍)とともに1993年に登場した車両で、1編成だけの存在といった希少価値の車両であった。6000系車両と基本的に共通運用されていたものの、千代田線内系統におけるメトロ運用は6000系がほとんどであり、06系を見かける機会は極めて少ない存在であった。6000系を置き換えるところまでには至らずに1編成だけで活躍していたが、2015年に運用を離脱したうえでその年に廃車および解体され、千代田線における消滅形式となった。 国鉄→JR東日本203系1982年に登場した当時の国鉄(→JR東日本)常磐緩行線からの乗り入れ車両。201系を基本に貫通ドア付きで製造されている。当時の国鉄運用車両であった103系車両が非冷房であることや、地下線内における抵抗熱からの発熱などによる評判の悪さを解消させるために登場し、同時に103系を置き換えるためでも登場している。国鉄時代の1986年までに10両編成17本が製造され、常磐緩行線から千代田線への直通で運用された。2011年にE233系へ置き換えられて運用を終了し、一部の車両はインドネシアやフィリピンへ渡って活躍している。 国鉄→JR東日本207系900番台国鉄最末期の1986年に登場した205系の貫通ドア付き車両。当時の国鉄最後のVVVFインバータ制御を採用し、1編成だけが製造されたことや試作的な存在であったことから希少価値な車両であった。203系と共通で運用され、常磐緩行線から千代田線への運用に活躍していた。E233系への置き換えによって2009年12月に営業運転を終了し、2010年1月に廃車され、国鉄型における廃系列となった。 JR東日本209系1000番台千代田線や常磐緩行線の増発を目的に1999年に登場したJR東日本の車両。当時増備されていた209系車両の地下鉄乗り入れ版であり、前面左側において非常貫通扉が設置されているのが特徴である。こちらは小田急線への乗り入れには対応されておらず、従来通り常磐緩行線から千代田線の代々木上原駅までの乗り入れ運用を専ら受け持っていた。2018年10月をもって千代田線および常磐緩行線運用から撤退し、中央快速線へ転属している。 小田急1000形1988年に製造開始され、1990年から2010年に亘って千代田線直通運用に活躍した小田急の車両。小田急初のステンレス車体およびVVVFインバータ制御を採用している。千代田線への乗り入れに運用された編成は6両編成車+4両編成車の一部、および10両固定編成が該当された。その後2007年から4000形への置き換えによって2010年に乗り入れ運用を終了し、小田急線内の地上運用へ転用されている。 小田急9000形1972年に登場した小田急の車両。当時の5000系車両の千代田線乗り入れ版として前面をマイナーチェンジさせたうえ、当時の斬新的なイメージが人気を浴びた。1978年の千代田線全通時の小田急の乗り入れ開始から1990年まで千代田線の直通で、本厚木駅から綾瀬駅まで運用された。その後は小田急線内の地上運用で活躍し、2006年に全車引退している。 北千住〜綾瀬間の運賃の特例1971年に当時の国鉄(現:JR)常磐線へ乗り入れの為に北千住駅〜綾瀬駅間が開業し、同時に常磐線の複々線化(当時は我孫子まで)が完成したものの、当時の営団地下鉄の綾瀬への車庫確保目的や国鉄における建設費削減が一致した為に、この区間を国鉄から営団へ移管した他、常磐線の快速電車が綾瀬駅に停車しない為に運賃関連については様々な問題が起こっている。この為に現在でも北千住駅〜綾瀬駅間の扱いにおいては乗車内容によって地下鉄運賃を適用するか、もしくはJR運賃を適用するかなどが複雑になっている。 ここでは、具体的な例を以下に挙げる。 (地下鉄運賃を適用)
(JR運賃を適用)
北綾瀬線の輸送力増強 かねてから代々木上原〜綾瀬間の本線、および綾瀬〜北綾瀬間の支線とに運用が分かれていたが、このほど北綾瀬駅ホームが10両対応式ホームに延長され、2019年3月16日から代々木上原および小田急線方面からの綾瀬止まりの一部の列車において、北綾瀬駅への乗り入れが開始され、輸送力が増強されている。 地下鉄千代田線 駅一覧
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