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東京メトロ半蔵門線

【更新内容】2023.11.24 発車標の写真を追加。

 東京メトロ半蔵門線は都市高速鉄道計画11号線における銀座線の混雑を緩和する目的として、1978年8月に渋谷駅と青山一丁目駅との間が開業し、渋谷駅では既に開業していた東急新玉川線(当時:現在の田園都市線渋谷〜二子玉川間)と全列車乗り入れ、当時は半蔵門線車両の8000系が登場していなかった関係から、当初は全列車東急車両で運転されていた。その後1981年に半蔵門線の8000系が登場して以降、半蔵門や三越前、水天宮前までと順次開業し、2003年3月19日に押上駅までの開業と同時に東武伊勢崎線と相互乗り入れを開始し、東急〜メトロ〜東武といった3社相互乗り入れが開始されている。

運行内容

 半蔵門線は渋谷駅で東急田園都市線、押上駅で東武スカイツリーラインや伊勢崎線・日光線へと相互乗り入れをそれぞれ行っている。このうち渋谷駅では全列車田園都市線へ乗り入れて中央林間方面へ直通している為に、田園都市線や半蔵門線自体は完全に一体化されて運転されている。

 運行車両はメトロの車両が8000系と08系それぞれ10両編成で運用されているものの、線内には車庫が存在していないことから、田園都市線の鷺沼駅に隣接している車両基地を東急から譲り受けて配置されている。

 また東武への乗り入れは2003年の乗り入れ開始時には日中には一時間に3本程度と少なめであったが、東武線内からの都心への需要が増えた関係で2006年には日中時間帯において、1時間に6本へと大幅に増発されており、2019年現在では久喜駅までが4本、南栗橋駅までが2本の内容となっている。

半蔵門線における種別表示について

 半蔵門線内は東急田園都市線や東武スカイツリーラインへ直通する列車を含めて、全列車各駅停車であるが、種別の表示については田園都市線内およびスカイツリーライン内の種別で案内されており、前者については押上駅、後者については渋谷駅からそれぞれ案内されている。

運行車両

東京メトロ車両

18000系

 現在、半蔵門線の主力として運用されている8000系車両の置き換え用として、2021年度に登場予定の東京メトロの車両。10両編成19本が製造される予定で、現在運用中の8000系車両を2022年度までに置き換える予定。

8000系

 開業時に東急車両を借り受けていた半蔵門線用の車両として、当時の営団地下鉄にて1981年に登場した車両。千代田線用の6000系や有楽町線用の7000系を基本として設計され、初の軽量ボルスタレス台車が本格的に使用されているほか、運転台は田園都市線向けに営団初のT型ワンハンドルマスコンを採用したことが大きな特長である。当初は6両編成で登場したが、段階的に8両および10両へと増強され、1994年までに全19編成とも10両編成化されている。

 今後は2021年度から2022年度にかけて18000系車両へ置き換えられる予定。

08系

 水天宮前駅から押上駅への延伸、および東武線への乗り入れに伴う輸送力増強に備え、2003年に登場した営団地下鉄時代における最後の新系列車両。東西線用の05N系車両を基本に設計された車両で10両編成6本の60両が製造され、8000系車両と共通運用でメトロ車両の運用を受け持っている。

他社線からの車両

2020系

 新世代における東急の標準型車両の5000系の後継ぎならびに8500系の置き換え用として、2018年に登場した田園都市線の新型通勤車両。東急電鉄創業100年を迎えることを機に、沿線の街や駅と調和する車両とすることを目的とし、JR東日本のE235系車両を基本に設計されている。兄弟形式として大井町線の6020系および目黒線に登場予定の3020系も2020系車両の一員として製造される。

東急5000系

 新世代における東急の標準型車両として2002年に登場した通勤型車両。JR東日本のE231系を基本に設計されており、コストダウンや省エネルギー化を図り、また環境の優しさにも対応した車両として開発された。田園都市線用として10両編成が登場し4ドア車を基本に後年にはラッシュ時の混雑対策として6ドア車も製造されている。10両編成18本が在籍しているものの、一部の編成に連結されていた6ドア車については、東急全体にて予定されているホームドアの設置によって、既に4ドア車へ置き換えらている。

東急8500系

 8000系のマイナーチェンジ車両として1975年に登場した車両。半蔵門線への乗り入れ仕様車として製造され、なおかつ東急の通勤車両における集大成を担ったことが評価され、1976年に鉄道友の会から「ローレル賞」を受賞している。一時は東横線でも活躍していたが、田園都市線の増発によって1990年までにすべて田園都市線および新玉川線に集約し代表的な車両になっている。2015年現在は10両編成にて24本が在籍し、中央林間駅から半蔵門線を経由して東武線への乗り入れ運用も受け持っているが、ごく一部の編成では東武線用の保安装置が装備されていないことから東武線へは乗り入れずに、半蔵門線の押上駅まで運用されている。

東武50050系

 東武線から半蔵門線、田園都市線に乗り入れている30000系車両に代わって2007年に登場した東武鉄道の50000系「A-Train」シリーズ車。2006年から2009年にかけて18編成180両が製造導入され、30000系と共通運用で東武車両の運用を受け持っている。

東武50000系

 評判があまり良くなかった30000系車両に代わって、東上線から転属してきた車両で、2編成(50008編成と50009編成)20両が転属され、50050系と共通運用で東武車両の運用を受け持っている。

現在の車両運用

 半蔵門線における車両運用は、番号ごとに運用される車両が決まっている。内容的には01〜49番までが東急車両(記号:K)。50番以降は奇数が東京メトロ車両(記号:S)、偶数が東武車両(記号:T)が基本的に割り当てられている。また東急車両には東武線への乗り入れの可否によっても番号が割り当てられているのが特徴であり、東武線へ乗り入れる運用の番号は01〜29番までであり、30番以降は東武線へは乗り入れない。また車両においても東急車両には東武線への乗り入れ可否に分けられている関係で、運用番号でも分かり易くなっている。東武線への乗り入れには8500系(一部を除く。)と5000系が、非乗り入れには8500系の一部と2000系および8590系が充当されている。また乗り入れ可否を見分ける為に東武に乗り入れない車両には正面の貫通ドアの窓に「K」マークが貼られている。

 東京メトロ半蔵門線の車両には8000系と08系が、東武の車両には50050系と30000系がそれぞれ運用されており、東武の30000系は乗り入れ当初の主力車両であったものの、前述のように10両固定編成化されていない(4+6両の連結編成)ことによる混雑の対応が厳しいことから、10両固定の50050系へ役目を譲り東武線内の地上運用へ転用し、さらに東武東上線へ転属している。

日中時間帯における運行内容

 半蔵門線内における、2021年3月13日改正の日中時間帯の運行パターン内容は以下の通り。前述のように半蔵門線内はすべて各駅停車となっており、さらに一部、押上駅経由の東武スカイツリーライン直通列車は東武スカイツリーライン内すべて急行となっている。

種別\駅名






東武線
発着駅
運行本数
田園都市線急行 3本
田園都市線・東武線急行 南栗橋
田園都市線準急
田園都市線各停
田園都市線各停
東武線
急行
久喜
久喜
南栗橋

過去の運行車両

東急2000系

 田園都市線の輸送力増強用として、1992年に登場した9000系車両の10両編成車両。当時の主力であった9000系や1000系を基本に居住性や省エネなどの向上を目的に設計されている。増発の目的から10両編成3本が導入され、東武線用の保安装置が装備されていないことから、東武線へは乗り入れずに、中央林間駅から半蔵門線の押上駅までの限定運用で受け持っている為、見かける機会はほとんど少なかった。

 現在では全3編成とも半蔵門線および田園都市線での運用を終了し、10両編成から5両編成へ短縮されたうえで大井町線へ転属し、実質的に9000系へと編入されるかたちで9020系化されている。

東急8590系

 8090系の貫通型スタイルとして1988年に登場し、当初は東横線の急行専用車として運用されていたが、2005年以降は10両化されて田園都市線に2本転籍してきている。内容としては8500系と同じく8000系グループの一員となっているものの、2000系と同様に東武線用の保安装置が装備されていないことから東武線へは乗り入れずに、中央林間駅から半蔵門線の押上駅まで限定で運用されていた。前述の2000系とともに次期主力車両の2020系の登場によって、2018年に2編成とも除籍され、東急線上から8090系シリーズ車両は姿を消している。

東武30000系

 東武線から半蔵門線および田園都市線への乗り入れ専用車両として1996年に登場した車両。10000系車両を基本に設計された車両で、田園都市線向けに東武初のT型ワンハンドルマスコンを採用。2003年の半蔵門線押上延伸とともに乗り入れを開始したものの、中間車に運転台が存在していることから田園都市線の混雑対応が厳しくなり、大多数が50050系(一部50000系)へ置き換えられ、2021年9月末をもって全編成東上線へ転属している。

その他

  • もともとの計画では銀座線が玉電の区間へ乗り入れる予定であったが、銀座線の輸送力および車両限界の関係から半蔵門線へ振り替え、さらに当時の玉電を路面電車区間から地下鉄化(→東急新玉川線<当時>)させて乗り入れに対応させている。
  • 一方、押上方においても当初は水天宮前(計画時は蛎殻町(かきがらちょう))までの計画であったが、東武における混雑緩和(北千住駅における混雑緩和)や輸送力増強を目的に、1993年の水天宮前〜押上間の着工と同時に、東武へ乗り入れる計画に変更されている。
  • 前述のように開業時から半蔵門線内は検修施設がなかった為に、乗り入れ路線である東急田園都市線の鷺沼駅に隣接して車庫を設けた。このような状態は、日比谷線における東武スカイツリーラインの竹ノ塚駅や大阪市営地下鉄堺筋線における阪急京都線の正雀駅でも該当している。
    鷺沼検車区に配置の半蔵門線8000系車両。鷺沼駅に隣接して設置されており、かつては東急電鉄にて運営されていたのを長津田へ集中させるかたちで移転させたうえで、当時の営団地下鉄によって1979年に譲り受けている。
  • 8000系車両の一部の編成は、1987年から1988年の一時期に東西線で運用されていたことがある。これは当時、東西線の増発において、新車の05系の投入予定が間に合わなかった為であり、この時は東西線の車両と同様に2ハンドルであったが、その後の半蔵門線への転属復帰によって、ワンハンドルへ変更されている。
  • 当路線内で連絡他線との接続がない駅は、半蔵門駅だけである。かつて2018年3月16日までは水天宮前も該当していたが、2018年3月17日に日比谷線と都営浅草線の人形町駅との接続駅へ昇格している[1]
  • 渋谷駅はかつてメトロの管轄であったが、東急東横線と乗り入れをおこなう副都心線の開業を控え、2007年12月2日に東急へ移管されている。この為に半蔵門線と副都心線との間は改札なしで乗り換えられ、なおかつ2013年3月16日の東横線と副都心線の相互乗り入れ開始時からは、半蔵門線および田園都市線と東横線との間も改札なしで乗り換えられるようになっている。
  • 水天宮前駅は、日比谷線および都営浅草線の人形町駅とほぼ近いものであるものの、乗り換え駅には指定されていなかったが、東京メトロおよび東京都交通局がこのほど、2018年3月17日より乗り換え駅に指定されることが発表され、正式に人形町駅との乗り換え駅へ指定された[1][2]。同時に日比谷線と直接乗り換えができるようになったことから、唯一全ての東京の地下鉄路線と直接乗り換えが可能な路線となっている。
  • 2003年3月の押上延長後の半蔵門線各駅の発車標には、時刻や行先とともに車両の所属会社が「○○(○○は東京メトロや東急・東武といった事業者名)の車両です」といった形で表示される。これは車椅子スペースが設置された車両の連結位置が東武と東急・東京メトロで異なるためであり、東武の車両は原則2・9号車、東京メトロと東急は原則3・9号車に設置されている。
    渋谷を除いた半蔵門線の各駅の発車標には、列車接近時に事業者名を表示した車両が来る旨が表示されている。この特殊的な案内内容は東京の地下鉄路線においては半蔵門線だけである。

地下鉄半蔵門線 駅一覧

地下鉄半蔵門線(渋谷〜押上間) :自社線内および都営線改札外乗り換え
駅番号
接続している路線
渋谷
(しぶや)
Z-01 ※銀座線については、表参道駅で同一乗り換え可能であるため除外している。
表参道
(おもてさんどう)
Z-02
青山一丁目
(あおやまいっちょうめ)
Z-03
永田町
(ながたちょう)
Z-04
半蔵門
(はんぞうもん)
Z-05
九段下
(くだんした)
Z-06
神保町
(じんぼうちょう)
Z-07
大手町
(おおてまち)
Z-08
三越前
(みつこしまえ)
Z-09
水天宮前
(すいてんぐうまえ)
<東京シティエアターミナル前>
Z-10
清澄白河
(きよすみしらかわ)
Z-11
住吉
(すみよし)
Z-12
錦糸町
(きんしちょう)
Z-13
押上
(おしあげ)
<スカイツリー前>
Z-14
  • 渋谷駅は東急電鉄にて管理。
脚注
  1. a b c 3月17日(土)から新たな乗換駅の設定を開始します。(2018年2月15日:東京メトロ報道発表)
  2. a b 平成30年3月17日(土)から新たな乗換駅の設定を開始します。(2018年2月15日:東京都交通局報道発表)

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