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乗車券・ICカードでの乗継割引
【更新内容】2023.10.1 都営地下鉄における相互乗継割引更新。(空港連絡特殊割引運賃終了により削除。)

 首都圏の鉄道路線では2007年3月18日に鉄道・バス共通ICカード「PASMO」が、JR東日本の「Suica」と共通される形で発行、および運用開始されたが、運賃計算においては乗継割引などに関して、さまざまな複雑な問題点を抱えている。本項では乗継割引などの範囲や改札内における他社線への乗り換えの概要などに加えて、北千住〜綾瀬間(千代田線と常磐緩行線)や目黒〜白金高輪間(南北線と三田線)の特例扱いについても記述する。

他社線との相互乗継割引

 他社線との相互乗継割引とは東京メトロから都営地下鉄との乗り換えなどで、あらかじめ自社線の運賃と他社線の運賃を足して合計した額に、一定の割引額を差し引いた値段で、主に初乗り運賃に関して割引区間が指定されている。基本的には改札を経由してがほとんどであるものの、直通列車関連などにおいて改札なしでも乗り継げる区間もある。これに関しては「改札内での乗継について」の項で後述する。

都営地下鉄における相互乗継割引

 一方、都営地下鉄においては東京メトロへの乗継に加えて、浅草線の押上駅から京成線へ乗り入れ、さらに京成高砂駅にて北総線へ乗り入れるほか、京成線で成田空港駅(空港第2ビル駅も含む)や泉岳寺駅において京急線へ乗り入れて羽田空港駅(羽田空港第3ターミナルおよび羽田空港第1・第2ターミナル各駅)へ乗り入れる列車が存在していることから、特別の割引運賃が設定されている。とくに京成高砂駅からの北総線においては運賃が極めて高いことから都営地下鉄各駅から北総線各駅(新柴又〜印旛日本医大間)までの乗継割引運賃が設定されている。

 また、かつては羽田・成田の両空港へは2003年8月から「空港連絡特殊割引運賃」が設定されており、乗車券に加えてICカード(2008年3月17日以前はパスネットも)も適用されていた。さらに2010年7月17日の成田スカイアクセス線(京成成田空港線)の開業によって、羽田・成田両空港間の割引運賃は従来の京成本線経由に加えて、新線の成田スカイアクセス線経由でも「空港連絡特殊割引運賃」が適用されていた。その「空港連絡特殊割引運賃」は2023年9月30日付で以って終了している。

改札内での乗継について

 他社線との相互乗り入れによって、2社線以上跨って乗車する場合には原則的に、自社線と他社線を合計して算出されるものの、利用区間によって2つ以上の経路がある。この場合については基本的に自社線と他社線との合計額が一番安い経路を適用する形になる。なおパスネットの時と同様にICカードにおいても4社線までの乗り継ぎが自動改札機にて可能になっており、5社線以降は窓口にての精算になるものの、5社線の合計額が4社線より安い場合でも4社線以内で計算できる経路の場合は、4社線以内とみなして計算される。

 これらの「改札なし」で乗り継げる駅を、「改札なしで乗り継ぎできる駅の一覧表」に掲載している。

JRから地下鉄に乗り換えてまたJRに乗り換える割引乗車券

 一部のJR線ではJR〜地下鉄〜JRと言うように前後のJR線のキロ数を合計した運賃に、地下鉄の運賃を足した特定運賃が設定されている。この場合は磁気乗車券のみに適用され、IC乗車券では通常運賃で取り扱われる。(JR運賃+地下鉄運賃+JR運賃の合計)

 途中改札を通らない例としてJR中央線から中野駅を経由して地下鉄東西線へ直通し、西船橋駅から再びJR総武線へ乗り入れる場合については、普通の場合は、西船橋駅では改札を通過する為にJR運賃+地下鉄運賃+JR運賃の合計で差し引かれるが、この場合は直通である為に改札を通らなく、しかも乗車駅・降車駅ともにJR線の駅なことから全区間JR線の運賃で差し引かれることになる。このような現象は千代田線の北千住もしくは綾瀬から乗車(常磐線からの直通も含む。)して地下鉄の乗換改札を途中通らないで、東西線の中野駅で中央線へ直通した場合も同じように全線JR線の運賃で計算される。

 また千代田線から常磐緩行線へ乗り継ぐ場合(北千住〜綾瀬間の扱いは後述)に限り、ICカード利用の特定割引(JR運賃+地下鉄運賃+JR運賃の合計から100円引き)が設定されている区間があるほか、綾瀬駅発着で西日暮里駅からJR線に乗り継ぐ場合、綾瀬〜西日暮里間の通常200円(IC:199円)が乗車範囲内に限り、170円(IC:168円)に割り引かれる区間も設定されている。

北千住〜綾瀬間の扱いについて

 JR常磐緩行線は1971年4月20日より地下鉄千代田線と相互乗り入れを実施しているものの、北千住〜綾瀬間の複々線では快速線が当時の国鉄、一方の緩行線が営団地下鉄にそれぞれ移管されたが、国鉄所有の快速線は綾瀬駅に停車しないことから、運転や運賃の取り扱いに問題が生じている。この為に同区間では乗車方法によってJR運賃もしくは地下鉄運賃を適用するのかが複雑になっているのが特徴的である。

 これらの扱いについては以下の表に掲載している。

目黒〜白金高輪間の扱いについて

 こちらも特例扱い区間で、2000年9月26日に営団南北線の溜池山王〜目黒間および都営三田線の三田〜目黒間がそれぞれ開業し目黒駅にて東急目黒線との相互乗り入れを開始している。このうちの目黒〜白金高輪間においては南北線(東京メトロ)と三田線(都営)が線路を共同で使用している為、運賃 計算において複雑になっている。基本では東京メトロ・都営それぞれの運賃で乗車するはずであるものの、この区間はあくまで共同区間であることから、建設を受け持った東京メトロの運賃(170円<IC:168円>)を支払う形となる。従って同じ線路を使用している都営三田線についても本来であれば、都営の運賃(180円<IC:178円>)を支払うものの、前述のようにメトロ運賃を適用する為、都営三田線でも目黒〜白金高輪間は特定で170円(IC:168円)となり、この区間に限ってメトロ・都営のどちらかの乗車券 でも任意となる。

メトロ・都営運賃(参考)

【乗継指定駅<メトロ・都営>

浅草、日本橋、新橋、新宿三丁目、大手町、淡路町・新御茶ノ水&小川町、秋葉原&岩本町、人形町、水天宮前&人形町、東銀座、日比谷・有楽町&日比谷、九段下、神保町、市ケ谷、中野坂上、新宿&新宿西口(丸ノ内線と都営大江戸線)、飯田橋、後楽園&春日、本郷三丁目、上野広小路・仲御徒町&上野御徒町、門前仲町、月島、麻布十番、六本木、青山一丁目、清澄白河、住吉、押上、東新宿、白金高輪

【注】:2013年3月18日より鉄道駅バリアフリー料金が導入されたことに伴い、東京メトロ線および東京メトロ線・都営地下鉄線連絡特殊割引の普通旅客運賃(きっぷおよびICカード)に10円が加算される。下表のエクセルで表示されている運賃は2013年3月17日までの現行運賃で、それに10円を加算する形式となる。なお都営地下鉄線の運賃(三田線の目黒〜白金高輪間を除く)にはバリアフリー料金は加算されない。

東京メトロ線バリアフリー料金込み運賃

現行運賃
(現金/IC)
加算
料金
新運賃
(現金/IC)
140/136 10 150/146
170/168 180/178
200/199 210/209
250/242 260/252
290/283 300/293
320/314 330/324

 150円(IC146円)新運賃は千代田線の北千住〜綾瀬間のみにて適用。また180円(IC178円)新運賃は目黒〜白金高輪間の南北線のほか都営三田線でも適用。

東京メトロ線・都営地下鉄線連絡特殊割引バリアフリー料金込み運賃

現行運賃
(現金/IC)
加算
料金
新運賃
(現金/IC)
280/276 10 290/286
310/307 320/317
320/318 330/328
350/349 360/359
360/350 370/360
380/370 390/380
400/391 410/401
400/392 410/402
410/401 420/411
430/422 440/432
430/423 440/433
440/433 450/443
460/444 470/454
460/454 470/464
470/464 480/474
500/485 510/495
510/497 520/507
550/538 560/548

【関連リンク】

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